17年以上使ったドコモのメインの電話番号の回線を解約し、日本通信の合理的シンプル290円プランにMNP転出で乗り換えてみました。
この記事の目次
irumo+楽天のデュアルSIMで1年使った結果、不満が出てきた

ちょうど1年前の2024年4月にirumo+楽天モバイルのデュアルSIMにしたという記事を書きました。
長年使ったドコモの電話番号を月額550円と最安のirumoの500MBプランで維持しつつ、データ通信は3GB/20GB/無制限と3段階の優れた段階性プランの楽天モバイルに任せ、楽天モバイル圏外のエリアのみドコモ回線のirumoにフォールバックさせるという算段でした。
在宅が多い月は3GBに収まるため楽天モバイル側は月額1,078円で済み、遠出が多い月は大体10GB以上は使うため2,178円で、irumoの550円と合わせてもかなりリーズナブルにエリア・容量・快適性を両立できるはずでした。
ただ実際使ってみると想定通り楽天モバイル圏外でirumoのドコモ回線にフォールバックしてはくれたのですが、irumoの500MBプランの3Mbps制限が想像以上に実用性が低く、楽天が圏外になるようなエリアでこそ使いたいGoogleマップのロードが数字以上に遅くて行き先の検索に不便を感じるシーンがそれなりに発生していました。
また楽天モバイルがしっかり圏外になってしまうと500MBは一瞬で使い切ってしまうため、超過後は128kbps制限になってしまいます。こうなると通信は切断されたのも同然で、現代のスマートフォンでは使える機能はほぼ無いに等しいという使用感でした。
実際に運用してみた結論としては、「irumoが想像以上に遅い」「楽天も想像以上に圏外が多い」といった2点の原因でこの組み合わせの難点が見えてきました。
またドコモの長期回線を安価に維持できる点もirumoの魅力でしたが、近年は大手の長期回線を維持するメリットも限定的で、キャリアのメールアドレスもahamo/irumoで既に手放しており、電話番号もMNP転出すれば維持できるため、今回は思い切って乗り換えを検討する事にしました。
日本通信の「合理的シンプル290円プラン」に乗り換え

irumoの問題点を整理すると、以下のものがありました。
- 3Mbps制限は遅すぎる
- 月500MBは心許ない
- 500MBで月額550円は割高
- 超過後の追加も1GBあたり1,100円と割高
一言で言えばドコモ本家の店頭サポートが得られる代わりに、MVNOなどの他社の格安回線と比べると割高・低容量で・低速で、ドコモ本家回線を持つ事にこだわらなければデメリットの多い回線となっています。
そこで代替の候補になったのが、日本通信の合理的シンプル290円プラン。
その名の通り基本の月額290円となっており、その状態で1GBの高速通信が可能。irumoと違って3Mbpsの制限もありません。1GB超過後は1GBあたり220円で容量の追加ができ、irumoの1,100円と比べて5分の1の格安の単価となっています。
実際日本通信の290円プランはレビューでも紹介している車載AndroidのOttoAibox P3やiPad miniなどで既にサブ回線として利用しており、それらの月々の通信量が変動するデバイスで快適に使えてきた実績もあるためメイン回線でも採用する事にしました。
irumo→日本通信290円プランで変わる点をまとめると以下のとおり。
- 基本料:550円→290円
- 基本容量:500MB→1GB
- 速度制限:3Mbps→無し
- 1GBの容量追加:1,100円→220円
基本的に全面的に上位互換のアップグレードになる事がわかります。
また今回は長期で使っている電話番号のメイン回線のため不慮の故障などで即座にデバイス間でSIMカードを移しやすい物理SIMの発行を選択しましたが、同プランはeSIMにも対応しており、最近は年間3回までデバイス移行などでのeSIM再発行の手数料が無料になったりと使い勝手の面でも優秀です。
1GBあたり220円と容量追加も割安なため、今回楽天モバイルとのデュアルSIMの組み合わせで楽天エリアが圏外の際にirumoよりも積極的にドコモ網を使う事が可能になります。
ただ1GBあたりの追加単価は220円と割安なものの、大容量を使用してしまうと10GBで2,270円、20GBで4,470円と割高になっていくのがデメリット。そこで20GBまでは2,178円、20GB以降は3,278円で無制限に使える楽天モバイルと組み合わせる事によって効率の良いデュアルSIM構成を実現できます。
月10GBを超える都心部での大容量通信は楽天モバイルでカバーし、郊外に出た際の広域のエリアはドコモ網の日本通信で数GB以内に収めれば1,000円以下に抑えられるので、エリア・容量・月額をバランス良くカバーできる組み合わせになりました。
事務手数料はスターターパックで節約

日本通信の回線は公式サイトから直接申し込むと3,300円の初期手数料が発生しますが、スターターパックを事前に購入してコードを利用すればこの手数料が無料になります。
スターターパックはAmazonで2,550円で販売されているので、今回はこれを契約前に購入して手数料を節約しました。
MNPワンストップ対応のためMNP予約番号は不要
日本通信・NTTドコモは双方「MNPワンストップ」に対応している通信事業者のため、従来のMNP転出のように転出元のキャリアでMNP予約番号を取得する手順は不要。
そのまま日本通信のサイトから申し込みを進め、途中でNTTドコモのサイトに飛んで認証を済ませればスムーズに電話番号を引き継いだ契約が完了します。今回初めてMNPワンストップのシステムを体験しましたが、シームレスに乗り換えが完了してとても良かったです。
片方が楽天MNOのため、iPhoneでデュアルSIM運用が可能
iPhoneは日本のキャリアではAPN設定のために設定プロファイルをインストールする必要があり、日本のキャリア傘下かつAPN設定が必要な各種MVNOの格安SIMではこれが必須です。
ただしiOSの制約として設定プロファイルは1つしかインストールできないため、デュアルSIMを構成したい場合は片方のAPNしか設定する事ができません。そのため、APN設定が必要なMVNOの回線をiPhoneで使いたい場合はシングルSIMで使うか、もう片方をMNO本家のSIMにする必要があります。
つまり2つのAPNが異なるMVNOをiPhoneでデュアルSIM運用する事は現時点ではできません。
移行前のirumo+楽天モバイルでの運用は双方APN設定不要のMNOだったので問題ありませんでしたが、日本通信に移行した場合日本通信のAPN構成プロファイルが日本通信の回線にだけ無事適用されるのか未検証でした。
結論としては、日本通信の回線を開通してiOSのデータ通信を日本通信のSIMに設定した状態でAPN構成プロファイルをインストールする事で日本通信側はプロファイルのAPN、楽天モバイル側はiOS自体に入っている楽天モバイルのAPNで接続されるようになり、以降はデータ通信のSIMを切り替えてもデータ通信が可能でした。
2025年度は日本通信290円SIM+楽天モバイルのデュアルSIMに

2024年度は「irumo+楽天モバイル」のデュアルSIM構成でメインのiPhoneを運用してみましたが、1年間の運用で弱点も露呈してきたので今回重い腰を上げて17年間利用したドコモを解約し、irumoの部分を日本通信に差し替えてみました。
実際「日本通信+楽天モバイル」の組み合わせは昨年の組み合わせの上位互換と言っても差し支えない構成で、より安く、より速く、より柔軟に回線網を使い分ける事ができそうです。
毎月の通信量が必ず数GB以内に収まるのであれば楽天モバイルを解約して日本通信のシングルSIMにしても良いかなと思ったりもしましたが、実際今までの楽天モバイルの使用状況の履歴を振り返ってみると使う月は使っているので、月10GB辺りを境に一気にコストパフォーマンスが悪化していく290円プランでは不安があり、ひとまずは引き続き楽天モバイルと組み合わせる方向で落ち着きました。
思い切ってドコモの長期回線を解約できた事でかなり理想に近い回線構成になったと思うので、しばらくはこのデュアルSIM構成で使用感が改善するのか試していきたいと思います。
楽天モバイルは現在MNPで14,000ポイント贈呈中、新規でも7,000ポイント貰えるキャンペーンを実施中。月3GBまでであれば半年間の料金以上にポイントが還元され実質無料で持てるので、楽天モバイルが気になっている方は是非活用してみてください。