先日iPhone 7 Plusのポートレートモードの被写界深度を試すべくiOS 10.1 Public Betaにアップデートしたところ、LINEの履歴の移行でトラブルがあったためメモがてら紹介します。
今回トラブルが発生したのはiOS 10.1 Public BetaにアップデートしたiPhone 7 Plus。出荷時のiOS 10.0およびマイナーアップデートのiOS 10.0.1、iOS 10.0.2ではiPhone 7 Plusの目玉機能である「被写界深度エフェクト」が使えないため、パブリックベータ版をインストールしました。
この際、6月のLINEのアップデート(バージョン6.4)で搭載されたiCloudバックアップ機能を使ってiOS 10.1 Public Beta 1のiPhone 7 Plusに以前使っていたiPhone SEからLINEのトーク履歴を移行。ここまではスムーズに行けましたが、後日無事ジェットブラックのiPhone 7を入手できたためiPhone 7 PlusからiPhone 7にトーク履歴を移行しようとしたところ、「バックアップを作成した時よりも古いバージョンのiOSではトーク履歴を復元することはできません。iOSを最新バージョンにアップデートしてください。」と表示され、移行に失敗してしまいました。
iCloudバックアップ機能はバックアップ元よりも前のバージョンには移行不可なので注意
iOS版LINEのiCloudを利用した「トークのバックアップ」機能はバックアップ元のiOSのバージョンよりも古いバージョンのiOSのLINEにはバックアップできない仕様となっています。そのため、ベータ版のiOSを導入したiPhoneでLINEを使いたい場合は履歴の引き継ぎを諦めるか、該当バージョンの正式版がリリースされるのを待つ、あるいは引き継ぎ先のiPhoneのバージョンも合わせて同じバージョンのベータ版にアップデートする必要があります。
今回iOS 10.1 Public Beta 1にアップデートしたiPhone 7 PlusからiPhone 7にLINEの履歴を引き継ぐためやむを得ずiOS 10.1 Public Beta 1をiPhone 7にインストール、引き継ぎを行いましたが、直後にリリースされたiOS 10.1 Beta 2にてシャッター音無音化バグが修正されてしまったため、LINEの履歴を取って大音量シャッター音の消音を捨てるか、LINEの履歴を捨てて正式版iOS 10.0.2に戻して消音バグを継続して利用するか、という苦渋の選択を強いられてしまい、八方塞がりの状態に。なお、LINEに問い合わせたところiOSのベータ版でのLINEの利用は動作保証対象外となっているため、LINE履歴に関する救済処置などは期待ができなさそうです。
下調べ不足でドツボにハマってしまった点は反省すべきところですが、LINEのトーク履歴は非常に扱いづらく、サーバー側で履歴が保持されるGoogle HangoutやFacebook Messenger、WiFi経由でOSを跨いでチャットログが移行できるWeChatなどの競合サービスと比べると使い勝手は最悪と言わざるをえない出来。普及率やスタンプの豊富さを理由に使っていますが、やはりこういったところでの柔軟性の低さを痛感します。
iPhone 7 Plusのポートレートモードを使いたいなどの理由でiOS 10.1のベータ版を導入する方は、LINE履歴の引き継ぎをしてしまうとベータ版から通常版に帰ってくる事ができない一方通行である点には注意したほうが良さそうです。なお、iPad版やPC版でログインしている場合はそれらの履歴は残るため、スマートフォン版のLINEの履歴はあてにせず、履歴を遡るには別デバイスを使うというのも手。特にiPad版に関してはスマートフォン版・PC版とは別枠でログインできてマルチデバイスができるので、何かあった際の履歴の退避先としてログインしておくのはおすすめです。