「オトナの自作PC計画1:パーツ選定編」14年ぶりに組む、コスパの良いリビング用エンタメマシンのパーツ構成を考える

自作Windowsパソコンを離れて長い年月が経ちますが、現在メインで使っているMacだけでは満たせないニーズもあり、久々に組んでみる事にしました。


筆者が最後に組んだ自作PCは2007年の春。中学最後の春休みで、もう14年近く前のこと。家には家族共用のノートPCしかなく、パソコンやインターネットの世界にのめり込んでいた自分は「自分のPCが欲しい!」というのが切実な願いでした。当時はお小遣いこそは殆ど無かったものの、始めたばかりのブログで多少収益が出ていた(!)事もあり、少ない予算で最大限のスペックにできる目論見から最初のマイパソコンは自作PCにすると決めたのでした。

当時の構成としては1.83GHzのCore2Duoに1GB×2のDDR2メモリに80GBだかのHDDで、後々オンラインゲームを快適にプレイするためにグラフィックボードを追加したり、Cドライブを32GBの格安SSDにしてOS部分だけでも高速化したりと、限られた予算で快適性を追求していくのは楽しかったなと記憶しています。

その後Windowsのカスタマイズ性に名残惜しさは感じつつも、徐々にマルチタッチの操作性が向上していったりユーティリティ系アプリも充実したりして加速度的に便利になっていくIntel世代のMacBookに軸足を移していき、一人暮らしで実家を出るのを機に自作PCパーツは全て周りの知人に寄贈する形で処分し、自作PCの世界からは一旦離れる事になりました。

そして2021年。このタイミングで改めて自作PCを組もうと思ったのは、やはりエンターテイメント系は未だWindowsが強いから。Apple Siliconの自社チップ「M1」搭載のMac miniをリビングに設置してエンターテイメント用途に使おうとも思ったのですが、M1の性能は高評価な一方で楽しめるコンテンツはまだまだ少ない状態。やはりWindowsであれば現在スマートフォン版をプレイしている原神も大画面で綺麗な世界観を体験する事ができたり、2020年に買ったOculus Quest 2もWindowsであればOculus LinkでPC向けVRが楽しめたりと、未だMacでは楽しめない魅力的な世界がWindowsのプラットフォーム上には広がっています

そういった事情で重い腰を上げて14年ぶりの自作PCを組む事にしたので、一連の流れを備忘録がてら記録していきます。

アキバで見かけたPCケースに一目惚れ

今回自作PCを置こうと考えていたのはリビング。せっかく55インチ4Kテレビがあるので、大画面で3Dのゲームやシミュレーターを走らせたいなと思っていたのですが、いわゆる「ゲーミングPC然とした外観」になるとインテリアとしてミスマッチ。インテリアとして馴染む外観のケースは果たして存在するのかと秋葉原のPC関係のショップを見て回っていたところ、出会ったのがFractal Designの「Era ITX」。一目惚れでした。

コンパクトでスタイリッシュな筐体をしつつも、中身はMini-ITXでそれなりに高性能なマシンが組めるという優れもの。ゆるやかな曲線で構成された金属筐体にガラスあるいは木の天板を組み合わせたカラーバリエーションが5色展開されています。

どの色も魅力的な個性を放っており捨て難かったのですが、悩んだ末選択したのはシルバー×ホワイトオークのカラー。PCケースながら木を外装に採用した珍しい外観は、ナチュラル系のインテリアにも上手く馴染んでくれそうです。

Era ITX自体入るグラフィックボードやCPUファンのサイズが限られていたりと久々の自作PCにしては多少トリッキーな面は多いものの、外装の質感重視でこのケースに合わせて構成を決めていく事にしました。

パーツ構成のテーマ:欲張りすぎないオトナの自作PC

冒頭で書いたとおり以前組んだ自作PCは中高生の初めてのマシンという事でとにかく予算重視で低価格のパーツを選定しましたが、今回は20代終盤で当時と比べたら選択肢に圧倒的に幅があります。そんな中でも欲張りすぎず、大事な所にはお金をかけて他はリーズナブルに抑えた「オトナの自作PC」にしようというのが今回のテーマ。

用途としてはリビングの4K有機ELテレビで快適に60fpsで3Dゲームなどのコンテンツをシングルタスクで楽しむ事に特化し、マルチモニターで複数のアプリを並行して動かすマルチタスク性能は2020年に買った特盛りiMacに任せる事に。

それでは実際に選定したパーツを紹介していきます。

1. CPU:Ryzen 5 3600


CPUは約2.6万円で購入できるRyzen 5 3600を選択。今回はPCの目的はあくまでリビングのTVでのエンターテイメントマシン。CPUよりGPUにお金をかけるべきという事で、コストパフォーマンスのバランスを考えてRyzen 5を選んでみました。なお、このRyzen 5 3600はオンボードグラフィック非搭載なので画面を映すためには別途グラフィックボードが必要。後述しますが現在グラフィックボードだけ取り寄せ待ち状態なので、グラフィックボードが届くまでは何もできないのが難点。

CPUクーラーが付属しますが、冷却性能やケースとの配置の相性に問題があれば簡易水冷を追加で購入してケース上部のラジエーター用スペースを活用しようかと考えています。

2. マザボ:MSI MPG B550I GAMING EDGE WIFI


Mini-ITXのマザーボードは1万円の格安モデルからラインナップされていますが、今回はフロントUSB type C、WiFi6、2枚のM.2 SSD対応といったポイントを一通り押さえたMSI MPG B550I GAMING EDGE WIFIに。Era ITXのフロントの端子類を活かしつつエンタメマシンとして活躍するに十分なネットワーク周りやオーディオの性能を兼ね備えています。

3. 電源:Corsair SF750 -PLATINUM-


Era ITXは限られた筐体スペースの中でATX電源とSFX電源どちらにも対応していますが、小型のSFX電源を選ぶ事で上部のラジエーターと下部のグラフィックボードの周りのスペースが捻出できる二者択一となっているため、今回はSFXのコンパクトサイズながら高性能なCorsair SF750 -PLATINUM-を選択しました。

これによりEra ITXの上部のラジエーターのスペースが使えるようになるため、将来的に排熱対策をする余力を残しておくという意味合いでも重要でした。

4. ストレージ:シリコンパワーP34A60 M.2 SSD 1TB


ストレージはマザーボードにコンパクトに収められ高速なM.2 SSDの中でもコストパフォーマンスに優れたシリコンパワーP34A60シリーズの1TBをチョイス。1TBでも1.2万円を切る低価格となっています。ひとまず1TBあれば色々とSteamライブラリに積んでいるタイトルを流し込んでも足りるかとは思いますが、万が一足りなければNVMeあるいはSATAの大容量SSDを増設する予定。

5. メモリ:ADATA PC4-25600 16GB×2(32GB)


メモリも無難にコストパフォーマンスの高いADATAの16GB×2枚の32GBを選択。金額約1.3万円ほど。+1万円出せば32GB×2の64GBにできますが、マルチモニターで並行作業を色々と行うメインPCとは違い、基本的にリビングのTVでシングルタスクな使い方をする予定なので今回は32GBでOK。

6. GPU:MSI GeForce RTX 3060 Ti VENTUS 2X OCV1

GPUは2021年1月15日に発売されたばかりのコンパクトなMSI GeForce RTX 3060 Ti VENTUS 2X OCV1をおすすめされ購入。ただ現在品薄で、ヨドバシオンラインで注文しましたが届くまでにしばらく時間がかかる予定。

金額は69,420円と今回の構成の中で一番高額なパーツで、4Kテレビで60fpsの3Dタイトルを動かすための要。Ryzen 5 3600がオンボードグラフィック非搭載なので、PCを動かすのに必須のこのグラフィックボードが届くまで綺麗なPCケースはオブジェのままなのはご愛敬。早く届いてほしい限りです。

追記:到着まで3ヶ月待ちとの連絡が来たので、別のグラフィックボードを買いにいきました

インテリアに馴染む、一味違う大人のWindows PC

自作PCと言うとゲーミングPCのイメージが強いですが、今回は光り物一切無しでリビングのインテリアに馴染むスタイリッシュでコンパクトなPCをコストパフォーマンス良く構築するという方向でパーツを選定してみました。モニターは既にあるTVを流用するとはいえ、予算的には他は一応10万円台に収まったはず。以前組んでいた時代からするとAMDのRyzenが流行っていたり、M.2 SSDというコンパクトで超高速なストレージがOS用ドライブとして主流になっていたり、正直かなりの浦島太郎状態。逆に何もかもが新鮮で楽しみでもあります。

GPUの到着までまだ時間はかかりそうですが、実際に組む際には続編を書いてみようかなと思っています。

追記:組みました。さらに簡易水冷も導入しました

次の記事
前の記事
アバター画像

キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。