OSにBlackBerry 10を搭載した、QWERTYキーボード付きBlackBerryの最新モデル「BlackBerry Q10」をEXPANSYS Japanさんにお貸し頂けたのでレビューしたいと思います。
外観
従来のBlackBerryにあった任意のアプリケーションを割り振れるキーは消滅しています。
画面が2.8インチ640×480→3.1インチ720×720に大型化し、
緩やかなカーブ状になっていたキーボードはまっすぐに。
Q10は前面のキーボード以外の物理キーが排除されているため、
ナビゲーションは全てジェスチャーで行います。
下辺から上へスワイプするとマルチタスク、
上辺から下へスワイプすると設定トグルができ、
最近のスマートフォンらしい操作になっています。
アプリケーション
プリインストールのファイラーはDropboxアカウントを追加する事により、Dropbox上の文書を閲覧したり、メディアファイルを直接再生したりできるようになり、使い勝手が向上しています。
BlackBerry 10からは利用できるアプリが増えており、BlackBerry 9900までは利用できなかったSkypeが利用できるように。以前の機種から音質に定評のあるBlackBerryで、Skype着信を待ち受けする事ができるようになりました。
また、今回からAndroidアプリをインストールする事が可能になっていますがPlayストアが利用できるわけではなく、BlackBerry本体を開発者モードに設定し、AndroidとBlackBerry双方の開発者ツールを導入、Androidアプリの.apkファイルを.barに変換し転送するという手順を踏む必要があるため、ハードルがやや高めになっています。しかし、Androidでドコモのiモードメールを送受信できるIMONIの動作報告などが上がっているため、BlackBerryで出来る事の幅は広がっており、チャレンジする価値はあるのではないでしょうか。
BlackBerry Q10は日本語入力に対応していませんが、Roco IMEを導入する事によってアプリ内で日本語を入力し、他のアプリに受け渡す事は可能です。なお、日本語表示は標準で対応しているようです。
対応通信規格
今回お借りしているBlackBerry Q10 SQN100-3の対応周波数は以下のとおり。
WCDMA:800/850/900/1900/2100 MHz
LTE:800/900/1800/2600 MHz
国内キャリアの利用周波数と照らし合わせると、ドコモではFOMAプラスエリアを含む広いFOMAの通話エリアで通信・通話が利用できますが、LTEは利用できません。また、SoftBankでは3Gに加えてイーモバイルLTEとの相互利用エリアでは1800MHzのLTEが利用できますが、2.1GHzの従来のSoftBank 4G LTEは利用できません。
さらに今回BlackBerry 10からはBlackBerry専用ISPのBIS(BlackBerry Internet Service)の契約が無くても利用できるようになったため、ドコモ以外のキャリアや日本通信のb-mobileなどのMVNO業者のSIMカードでも利用できるようになっています。
総評
通話に関しても従来のFOMAプラスエリアを含んだ音声回線による通話だけでなくSkypeによる通話が可能になり、通話用スマートフォンとして一層使いやすくなっていると感じました。また、BlackBerry HubによってSNSやメールを一括管理する事ができるのも魅力です。一方でQWERTYキーボードは9900の従来の物より打ちやすくなっているものの、日本語環境で利用するには日本語入力が不完全である事を考えると日本語圏で利用するには不便があるのも事実。フルタッチパネル端末が主流の中、物理QWERTYキーボード搭載端末としては別格の出来なので、是非日本向けにローカライズしてほしい機種です。