AirPods Proレビュー。ノイキャンは声に強く、使い心地は今までの中で別格。Siri無しに音量調整できないのがネックか

AirPods Proレビュー。ノイキャンは声に強く、使い心地は今までの中で別格。Siri無しに音量調整できないのがネックか

昨日発売されたAppleのAirPods Proを購入して実際に使ってみました。


AirPods Proは2019年10月29日に突如発表され、翌日30日に発売されたAppleのワイヤレスイヤホン。従来発売されていた完全ワイヤレスイヤホンの「AirPods」の末尾にApple製品の上位モデルに付けられる命名規則「Pro」を付加したその名前のとおり、AirPodsの左右独立完全ワイヤレスイヤホンとしての使い勝手はそのまま、カナル型になりノイズキャンセリング機能を付加した派生モデル。


今回2年使ったBose SoundSport Free wireless headphonesの後釜として来年Boseから発売予定のBOSE NOISE CANCELLING EARBUDS 700の発売を待っていたところ、Appleから突如このAirPods Proが発表。独特なイヤーピースの耳へのフィット感の良さでBoseのイヤホンを選んでいましたが、今回AirPods Proはカナル型でありながら内圧を調整してくれる機構を搭載しているとの事で、カナル型特有の圧迫感無しに装着できるそうだったのでBoseの新型の発表を待たずAirPods Proの購入に踏み切ってみました。

同梱品はイヤホン本体を含んだ充電ケース、サイズ違いの小さめ・大きめのイヤーピース、USB-C – Lightningケーブル。

イヤーピースは本体に初期搭載の物を含め3サイズ。iPhone/iPad上で診断を実施し、密閉を得られる最適なサイズか診断してくれる機能を搭載しています。

こちらがAirPods持ち運び/充電ケース本体。従来モデルのAirPodsと比べると形状がワイドに変更されています。

背面にはリセットやペアリングを手動で行えるボタンを搭載。

底面は充電用Lightningポートを搭載。なお、AirPodsは今年のマイナーチェンジモデルからワイヤレス充電ケースが選べるようになりましたが、AirPods Proはデフォルトでワイヤレス充電に対応。Qi規格のワイヤレス充電器さえあればワイヤレス充電が可能です。

格納されているスタイルは従来のAirPodsと同じ。

着脱に応じて自動再生・停止、ノイキャンも追従

こちらがAirPods Pro本体。AirPodsと比べると足が短くなり、よりスマートな見た目になりました。

先日紹介したワイヤレスヘッドホンのMu6にもあったように近接センサーを搭載し、耳から外すと一時停止、戻すと再生という機能が付いています。一時的に耳から外したりする際に同時に一時停止の操作をしなくて良いので便利。

なお、この機能が発動する際、一時停止と同時にノイズキャンセリングも無効になります。付け外しの際の一時停止の配慮にとどまらず、そこから更に片耳だけノイズキャンセリングされた気持ち悪い状態にならないよう重ねて配慮されているのがApple製品らしい作り込みに感じます。

カナル型なのに内圧が調整され快適

側面には通気孔を搭載し、カナル型でありながら耳の内側に内圧がかからない機構になっています。耳の鼓膜にかかる圧迫感が苦手でカナルの密閉型のイヤホンを敬遠している人でも、AirPods Proであればそういった不快感が取り払われているので気持ちよく付けられるのが嬉しいところ。

側面の感圧タッチで操作の利便性が大幅改善

従来のAirPodsは左右それぞれのイヤホンのダブルタップに機能を割り振る事ができましたが、AirPods Proは側面のフラットな部分に感圧センサーを搭載。押し込む事で再生・一時停止、曲送り、曲戻し、ノイズキャンセリング・外部音取り込みモードのトグルが可能。

なお、外部音取り込みモードにするとノイズキャンセリングの逆で、外の音をマイクで拾って中のスピーカーにそのまま流してくれます。レジで決済する際に店員の声を聞く必要があったり、ワンポイントで外の音を聞きたい時に便利。

公式サイトによると、操作は上記のとおり。1回押しで再生・一時停止(電話に応答)、2回押しで次の曲にスキップ、3回押して前の曲にスキップは一般的な市販イヤホンと同じ動作。これに加え長押しでノイズキャンセリング機能と外部音取り込みモードの切り替えができるようになっています。

従来のAirPodsのジェスチャーは耳を二度突っついて機能を発動する必要があり、個人的にかなり不快感がありました。今回のAirPods Proからは耳に衝撃を与える事なく感圧センサーを押し込むだけなのでAirPodsにあった不快感が払拭されています。また、従来「右で再生・停止、左で曲送り」など左右1つずつしか割り触れなくて不便だった機能が、左右両方の感圧センサーで全て操作できるように。自由度が一気に上がり、AirPodsで不便だったところをしっかり修正してきているのは高評価です。

なかなか珍しい操作感なので最初はこの操作にはコツが必要だと思いましたが、裏の指は添えるだけ、平面のセンサー側の指で押し込むような感じで操作すれば普通のボタンのような正確さで操作できて快適です。

蓋を開けるだけで簡単ペアリング

AirPodsの十八番芸だった「蓋を開けるだけで近くのiOS端末に画面が表示され接続」の機能も引き続き搭載。一度ペアリングすれば他のiOS端末にも簡単に切り替えられ、Apple製品で統一していればiPhone→iPad→Macとスムーズに切り替えられるので便利。なお、うまく切り替えられない場合は一度充電ケースの背面のボタンを長押しして切り替え先の他のデバイスでもセットアップすればうまく動くようです。

AirPods Proを他のiOSデバイスから切り替える時は、コントロールセンターから選ぶだけでOK。一旦設定のBluetoothから接続を解除して、といった一般的なBluetoothイヤホンの再接続手順をスキップできるのは快適です。

サイズ感は相変わらずコンパクト

写真は充電ケースをiPhone 11 Proと並べたところ。左右独立完全ワイヤレスイヤホンの充電ケースは他社製品を見るとかさばるものが多いですが、AirPodsがそうであったように、AirPods Proもかなりコンパクト。背が短くなり、幅が広くなりました。常にポケットに入れて持ち運ぶようなデバイスなので、こういった小型化は良いですね。

総評:ノイキャンは強力。付け心地、使い心地は別格

実際使ってみた感想ですが、正直最初に耳に入れた瞬間から感動しました。内圧のかからない機構、耳へのフィット感、耳に入れた後に開始するノイズキャンセリングの性能の高さなど、Apple初のノイズキャンセリングイヤホンとしては異常に高い完成度です。ノイズキャンセリング性能は他社の製品と比べても非常に高く、特に人間の声を打ち消す性能がとても高いと感じました。うっかりレジでノイズキャンセリングをオンにしていると店員の声がほぼ聞こえず不便するレベル。混雑時の賑やかなカフェなど、他の人の話し声が気になるシーンではとても力を発揮しそうです。

全体的に完成度の高い製品だと感じましたが、特に良いと思った点は以下のとおり。

  • 人の声に対して強力なノイズキャンセリング性能
  • カナル型ながら耳を圧迫しない内圧調整機構
  • AirPodsで不便だったジェスチャーが大幅改善
  • 圧倒的な低遅延

とにかく使い心地が良い感じです。耳に入れた際の心地よさ、疲れないフィット感、着脱時の自動再生・自動停止などの総合的な体験が気持ちよく感じます。またAirPodsと同じく、自社製のH1チップ採用による低遅延はお見事。ほとんどのゲームが違和感なくプレイできるほどにワイヤレスの中では圧倒的に遅延が少ないイヤホンです。

一方で、感じたデメリットは以下のとおり。

  • 単体の音量調整がSiriのみ
  • 電池持ちは不安
  • 音質はBoseのほうが好み

最も不満に思っているのが、音量調整。AirPodsもAirPods Proも、単体で音量調整するには「ヘイSiri、音量を下げて」と口に出して言わないといけません。今回感圧センサー採用によって左右のイヤホンのセンサーで操作が被るので、せめて片耳の操作に割り振れるようオプションが欲しかったところ。結局AirPods Proを使っている時に音量調整をしたければ、Siriを使わないのであればiPhone/iPad本体、あるいはペアリングされているApple Watchから操作するしかないです。多くの他社製イヤホンには音量調整のリモコンが搭載されているので、それに慣れていると一番不便に感じた点です。

次に電池持ち。公称値では4.5時間持つ事になっていますが、少し短いなと思います。充電ケースに入れれば使っていない間は充電する事ができますが、やはりこれだけ心地よく、外部音取り込み機能で耳に付けっ放しにできるイヤホンなだけに、長時間付けっ放しにできる電池持ちも欲しかったところ。

最後に音質。傾向としては、従来のAirPodsと方向性は似た音に感じました。Boseの完全ワイヤレスイヤホンと比べると低音の音量が小さく、高音のシャリシャリ感がある音に感じました。音としては割と出ているのですが、特段音質が良いイヤホンだとは感じませんでした。個人的にBoseの方が好みなので、来年発売されるBoseの完全ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホンが良さそうであれば再度Boseに戻ろうと思っています。

などなど、デメリットはいくつか感じたものの、使い心地で言えば今までの中で別格の良さ。使い心地は抜群で、使い勝手はもう一歩といったところでしょうか。価格は約3万円と競合製品と比べてやや高めのお値段ですが、それでも人気のようで現在は品薄の模様。ただ、総合的な使い心地の良さだけでも買うメリットがあると思います。取り扱いはApple公式サイトAmazonのほかビックカメラ.comauオンラインショップでも取り扱いあり。iPhone用のノイズキャンセリングイヤホンを探しているのであれば、かなり良い選択肢が突如現れたなと思いました。

キリカ

キリカ

ガジェットショットを作った人。最近まで学生生活の傍ブログを書いていましたが、今はデザイナーとして働いています。休日は愛車の「エリーゼ」「ジュリエッタ」に乗ってドライブに出かけたり、写真を撮ったり楽しんでいます。