2015年にレビューしたMacBookシリーズ用の無刻印化ステッカー「ブラックアウトステッカー」の最新モデルを数ヶ月ほど使ってみました。
追記:2021年モデルのMacBook Pro用モデルもレビューしています。
ブラックアウトステッカーは2015年よりファーイーストガジェットから販売されているMacBookシリーズのキートップを真っ黒にできる、無刻印化ステッカー。ミニマルな外観になりスタイリッシュになるのは勿論のこと、キートップのテカりを予防できるため、MacBookを長く綺麗に使いたいといった場合にも重宝するアイテム。
2015年に書いた「MacBookのJISキーボードを無刻印にできる「Blackout sticker for Mac」が格好良すぎる。」という記事は当時反響も大きく、一部界隈でブームになったアイテム。あれから約4年、メーカー様から「新製品ができた」と連絡があり、実際にお会いして実物を見せて頂き、サンプルまで頂けたので実際にMacBookシリーズに貼り付けてしばらく使ってみました。
新作は「通常版」と「Pro」の2種類に
旧ブラックアウトステッカーは単純に「キートップを黒いシールでブラックアウトする」というシンプルな発想の製品でした。ただしその性質上、キー配列を完璧に覚えていないと使えないという、当たり前ながらタイピング上級者向けのアイテムに。無刻印化のスタイリッシュさには憧れるけれども、実際使ってみると文字が打てずに本末転倒、といったケースもあったのではないかと思います。
新しいブラックアウトステッカーは、そのハードルを少しでも下げようとアプローチした製品。従来通りの黒く塗り潰す「Pro」に加え、通常版はキーを識別するための「ヒント」が隠された製品となっています。
触覚でキーを判別する「発明」
新しいブラックアウトステッカーは、対応するキーのアルファベット・記号をモチーフにした形に切り抜かれているのが特徴。例えば「A」であれば上部が台形に切り抜かれていたり、「S」であれば右上・左下に切り込みが入っていたりと、「指先で文字を読める」工夫がなされています。そのため、目で見えなくても指の感触がそれぞれのキーの特徴を覚えてくれてヒントになってくれる、という発明。また、目で見ても「なんとなくそのアルファベットの形に似ている」ため、元のキーを連想できるようになっています。
そのように元の文字をモチーフにした形状でありながらも、キー上の刻印はしっかりカバーするようなデザインになるよう工夫されているのも特徴で、これだけ切り込みがあちこちに入っているにも関わらずキー上の文字には一切触れず、しっかりブラックアウトしてくれます。
ファクションキーの形状もそれぞれ工夫されており、グループごとに左右のトグルが分かる形。
輪郭のほか5、F5、0、F10のキーにはそれぞれ目印が付いており、指のポジションの手掛かりとなっています。
貼り付けは1つ1つ
ブラックアウトステッカーは1枚1枚独立したシールなので、コツコツと貼る必要があります。貼り付けにはピンセットがあると便利ではありますが、指で貼る事も可能。今回は指で貼ってみました。
通常版「ブラックアウトステッカー」を試す
まずは自宅利用の多い15インチMacBook Proに通常版ブラックアウトステッカーを貼り付けてみました。
貼り付けてみると、キーの輪郭に目視できる切り込みがある事がわかります。実際触ってみると、確かにキー1つ1つの切り込みが手掛かりに感じられます。この辺りは継続利用で分かりやすくなってくる物だと感じました。
「Pro」も試す
続いて、普段持ち運んでいるMacBook Airに「ブラックアウトステッカーPro」を貼り付けていきます。
貼り付けたところ。切り込み付きのブラックアウトステッカーと比べ、Proはより視覚的にクリーンで格好良いイメージ。MacBook Airの外観が好きな事もあり、見た目的な満足度はかなり高めです。
実際使ってみると普段からタッチタイピングしている事もあり、キーの位置探しに困らない身としてはこちらの方がキーごとの感触にブレが無く、心地良く感じました。
個人的なおすすめは完全無刻印化の「Pro」
実際に使ってみて感じたのは、切り込み付きのブラックアウトステッカーは各キーの視覚的・触覚的手掛かりがあるというのはメリットである一方で、デメリットにも感じるという事。視覚的にも触覚的にも「ノイズ」が入るため、タイピングにより集中できるのは「Pro」だと感じました。もちろん、キー配列を覚えている事前提ではありますが。
また持ち運んで出先で使うMacBook Airに付けて日常的に使ってみたところ気付いた点としては、スマホのSMSで数字を受信して入力する二段階認証が少し不便かなという点。ホームポジションに指が乗っている時こそは数字の位置感覚は分かるのですが、スマホを見ながら該当する数字を1文字ずつ入れていくのはProの完全無刻印だと少し分かりにくいなと感じました。4年前には無かった感想なので、ここ4年で二段階認証を導入するサービスが増えてきたという事もあるかもしれません。
今回新発売された切り込み付きの通常版は無刻印化に不安がある方の足掛かりとしては使えそうに感じましたが、やはり個人的に圧倒的におすすめなのはPro。見た目も最もクリーンになり、タイピングした感触もすっきりしています。やはり無刻印化ドレスアップの道に進むのであれば、Proで打てるようにするのが断然おすすめです。
ブラックアウトステッカーは通常版、Proともに1,890円で販売中。切り込み付きの通常版はUSB type Cを採用したバタフライキーボード搭載の12インチMacBook、13インチMacBook Air、13/15インチMacBook Pro用と、Magic Keyboard搭載の16インチMacBook Pro用、それぞれJIS/US用をラインナップ。ブラックアウトステッカーProはそれに加えて旧型のMacBook Pro/Airシリーズ用も引き続き販売されています。
無刻印化はMacBookのドレスアップアイテムとしては抜群の視覚的インパクトがあり、実際使っていて反響も大きいアイテムなので、タイピングに自信のある方には是非使ってほしい製品です。