先日発売日に購入して以来使っているRakuten Miniですが、テザリングの周波数の切り替えができるようです。
Rakuten Miniはドコモ・au・ソフトバンクに続く第四のキャリアとして参入予定の楽天モバイルが、正式サービスイン前の無料サポータープログラム参加者限定で先行販売を始めたばかりの超小型・おサイフケータイ搭載・eSIM専用というユニークなスマートフォン。先日レビューしたとおり超小型のサイズとしての取り回しの良さとおサイフケータイ対応の相性がとても良く、普段使いの決済スマートフォンとして愛用している一台です。
2.4GHz帯と5.0GHz帯を切り替え可能
Rakuten Miniの設定アプリの「Wi-Fi アクセス ポイント」設定を開くと、「AP 帯域幅」という項目があり、ここから2.4GHz帯と5.0GHz帯を使い分けることが可能となっています。
2.4GHzはWiFiとして一般的に普及している帯域で、多くのスマートフォンがこの帯域でテザリングでのテザリングに対応。日本では屋内外で利用可能となっています。障害物に強く回り込みやすい一方で、多くの機器で使われているほか、ワイヤレスヘッドホンなどに使われるBluetoothも同じ2.4GHzを使っているため、混線しやすいというデメリットもあります。
一方5GHz帯は2.4GHzと比べるとより高速な通信規格に対応しており、メジャーでない分混線の影響を受けにくいというメリットがあります。ただし2.4GHzと比べると障害物に弱いほか、屋外での使用は認められておらず、屋内でのみ利用可能となっています。
Rakuten Miniはこの2.4GHzと5GHzを両方使い分けられるため、例えばカフェのフリーWiFiやキャリアのWiFiスポットなどの公衆無線LAN、他の人の使っているBluetoothのワイヤレスヘッドホンなどの電波などで混線しやすい2.4GHz帯を避け、5GHz帯でテザリングすることで安定して高速通信できるというメリットがあります。ただし5GHz帯は屋外での使用が認められていないため、実際に使えるのはカフェなどの屋内席でノートパソコンやタブレットにテザリングして使うなどのシチュエーションになります。
現在市販されている多くのスマートフォンはこの5GHz帯でのテザリングに非対応で、例えば手持ちの機種のソニーの最新のフラッグシップモデル「Xperia 1 SOV40」でもテザリングの周波数は切り替え不可。このRakuten Miniが5GHz帯の切り替えを搭載してきたのは面白いなと思います。
複数回線持ち運べるモバイルWiFiルーターとして優秀な一台
先日IIJmioのeSIMでドコモ網も使えると紹介したRakuten Miniですが、楽天(+auローミング)回線にドコモ網のIIJmio回線、更に他のグローバルなeSIMサービス事業者(GigSkyを試したところ繋がりました)のeSIMの通信プランも読み込んで回線を選んで使うことができ、テザリング自体も2.4GHzに加え5GHzにも対応。気になる電池持ちですが、一日中テザリングしっぱなしで持ち歩いてスマートフォンやPCをぶら下げて使っても帰宅する頃にはまだ電池残量が残っていたため小ぶりなサイズにしては長持ちで、WiFiルーターとしてのポテンシャルの高さを感じます。
楽天モバイルが正式サービス開始後にどういった売り込み方をするかは分かりませんが、実売価格約2万円とスマートフォンとしてはお手頃価格なこともあり、かつてのイー・モバイルの「Pocket WiFi S」のようなモバイルWiFiルーターを兼ねた小型Androidとしてのポジションでも良い線を行けるのではないかと思います。おサイフケータイの電子決済にも対応し、複数回線のeSIM切り替え式WiFiルーターとしてもしっかり使えるクレジットカードサイズのRakuten Mini。2020年早々、今までに無かった面白い端末が出てきたなと感じます。