高性能なCPUとカメラを中価格帯のモデルに採用したファーウェイのスマートフォン「HUAWEI nova 5T」をファーウェイ広報部よりお借りできる機会があったので使用感をレビューしていきます。
nova 5TはAmazonでの実売価格約5.4万円のスマートフォン。ミドルレンジの価格帯ながら、フラッグシップのMate20 Pro、P30 Proなどと同じプロセッサのKirin 980を搭載。カメラにも力を入れた機種で、1600万画素の超広角、4800万画素のメインカメラ、200万画素の被写界深度測定カメラ、200万画素のマクロカメラの4つのレンズを搭載し、様々な写真を撮影する事ができます。
端末デザインに関しても独特のカラーバリエーションで個性を出しています。
店頭販売でも存在感を出しているミッドサマーパープル。novaのロゴが背面に敷き詰められたユニークなデザインです。
こちらのクラッシュグリーンも独特な色合い。
クラッシュブルーはファーウェイのSIMフリーミドルレンジ機ではよく見る系統。
オーソドックスで選びやすいブラックも用意されています。
今回はこのブラックをレビュー用にお貸し頂く事ができたので紹介していきます。
それでは早速スペックから見ていきます。
スペック
画面サイズ | 約6.26インチ |
---|---|
画面解像度 | 1080×2340(FHD+) |
画面種類 | TFT |
プロセッサ | Kirin 980 |
RAM | 8GB |
内蔵ストレージ | 128GB |
アウトカメラ | 約4800万画素(F1.8) 広角 約1600万画素(F2.2) 広角 約200万画素(F2.4) 被写界深度計測 約200万画素(F2.4) マクロ |
インカメラ | 約3200万画素(F2.0) |
バッテリー | 約3750mAh |
サイズ | 幅:約73.97mm 縦:約154.25 mm 厚さ:約7.87 mm |
重量 | 約174g |
生体認証 | 指紋センサー |
スペックシートだけで見れば、Kirin 980を搭載している上にRAMは8GBの大容量を積んでおり、Kirin 980にRAM 6GのP30 Proよりも高性能。ドコモで販売されているフラッグシップモデルよりも高い性能のものが5万円台なのは驚き。ただしファーウェイ独自のKirinプロセッサのため、ほとんどのスマートフォンに搭載されているSnapdragonの上位モデルと比べるとゲームなどでの処理性能は見劣りする部分があります。
カメラは超広角、4800万画素の高画素な広角、被写界深度の3カメラまでは珍しくない構成ですが、4カメラ目に望遠ではなくマクロを搭載。専用のレンズが無いと撮る事ができない超広角、メインカメラでは寄れない短距離用にはマクロとそれぞれハードが必要な部分はハードでカバーし、望遠に関しては専用のレンズを搭載せず4800万画素の高画素を活かして切り抜いて対応するというモダンなカメラ構成になっています。
AnTuTuベンチマーク
AnTuTuベンチマーク(V8.2.2)の結果は約37万点。同じKirin 980搭載のP30 Proの35万点台と比べるとワンランク上回っており、同社のフラッグシップモデルよりも上という結果。先日レビューした同じ価格帯でSnapdragon 730Gを搭載するXiaomi Mi Note 10の約26.5万点も大きく上回っており、価格対処理性能で見るとかなりお買い得感のあるモデルとなっています。
本体デザイン
続いて、本体の外観をチェックしていきます。
こちらがnova 5T本体。表側から見た際のルックスとしては、インカメラが目立ちにくい小さめのパンチホールになっているのが特徴。
下部はUSB type C端子を中央に搭載。
左はnano SIM×2のSIMスロット。
上部。
右側はボリュームキーと電源ボタン一体型の指紋センサーが並んでいます。
インカメラのパンチホール部分。面積が小さく角にあるため、中央に大きなノッチがある機種と比べると画面欠けがかなり目立たないのはメリット。
背面は横持ちの方向に合わせて文字がプリントされており、カメラ推しを感じるデザインです。
カメラの作例をチェック
それでは実際にnova 5Tで撮った写真を紹介していきます。
料理撮影
まず、デフォルトの設定で料理を撮影。彩度強めのSNS映え重視の味付けです。
同じ被写体をAIオフで撮影したところ。より肉眼で見た被写体に近い色合いになりました。好みにもよりますが、AIオンの装飾がくどすぎるようであればオフにして撮影するのがおすすめ。
夜景
夜の駐車場で赤いアルファロメオを撮影。AIをオンにした状態で色付きの車を撮影すると、AIが被写体の色を引き揚げて際立たせてくれるような挙動を見せました。普通スマホのカメラで夜間に赤い車を撮影するともう少しくすんだ色になりますが、AIがその辺りを調整し、綺麗な赤を出してくれています。
風景
4800万画素広角カメラで風景を撮影したところ。空のグラデーションの色味も良く、風景として映えるAIの味付けです。
超広角カメラで撮影した写真も色味がメインの4800万画素カメラに近く、使い勝手の良い超広角。
望遠レンズは備えていないため2倍望遠は4800万画素カメラからのクロップになり、望遠レンズを備えたスマホと比べるとやや解像感に欠けてくるイメージ。とはいえ、画素数が高いカメラからのクロップなので良い線を行っています。
5万円台で買える高い処理性能のスマホ
4〜5万円台の中価格帯ながらハイエンドに近い要素を兼ね備えるコストパフォーマンスの高いスマホが市場に増えてきましたが、nova 5Tに関しては「高い処理性能」「望遠を省いた高性能カメラ」の2点に特化する事で5万円台ながらそれらを重視するユーザーにとってはコストパフォーマンスの高い一台となっています。
処理性能に関しては大手キャリアで販売されているHUAWEI P30 Proと同じCPU・より大容量なRAMを搭載する事で性能で上回っており、同価格帯のXiaomi Mi Note 10よりも上。SIMフリー市場の中価格帯では強力な機種です。
カメラに関してはトレンドの超広角を取り入れつつ、AI補正で映える写真が撮れる実用的な物を搭載。50倍ズームが売りのP30 Proのような高倍率な望遠は省いているものの、広角側に関してはしっかり撮れる超広角・広角を揃えており、使い勝手は良好。Mi Note 10は1億800万画素を搭載したため中央部特化で周辺に行くにつれて解像感が落ちていく癖のあるカメラでしたが、nova 5Tに関しては適度な高画素に抑えられておりそういった気になる癖も少なく、AIによる補正が気に入らなければオフにもできるため、ハズレ写真になりにくい安定感のあるカメラだと感じました。
高い処理性能で気になる3Dゲーム性能ですが、PUBGなどのバトルロワイヤル系ゲームは同価格帯の中では快適にプレイできる方。ただし設定やタイトルによってはフラッグシップモデルと比べると見劣りする部分もあるため、この価格帯で純粋に性能を求めるのであればBlack Shark2の方が良いかもしれません。また、イヤホンジャックやステレオスピーカーを搭載するのもゲーマー的には減点かなと思いました。
ただ全体的に見てコストパフォーマンスのレベルはかなり高めで、カメラの安定感、処理性能の高さを見るとこの価格帯の中ではおすすめできる一台です。動きだけでなく指紋センサーの感度・スピードも非常に良く、一言で言えばストレスフリー。「サクサク動くスマホが良い」「画質の良いカメラがほしい」「望遠はそこまで要らない」といった方であれば、5万円台の機種の中ではかなりマッチする一台です。購入は以下のリンクから。