iPhone 15以降のiPhoneでは充電時に80%を上限に充電を止める機能が搭載されていますが、iPhone 14以前のモデルでは搭載されていません。バッテリーの寿命の延命には充電を80%以内に保つ事は有効なため、スマートプラグを用いてこの機能を旧モデルで擬似的に再現してみました。
iOSショートカット+Matter対応スマートプラグで制御
今回利用するのはiPhoneのバッテリー増減に応じて任意のショートカットを起動させる事ができるAppleの「ショートカット」アプリと、Matter規格での接続に対応したTP-Linkのスマートプラグ「Tapo P110M」の2つ。以前Tapo P110Mのレビュー記事で紹介したとおりMatter規格に対応しているためApple標準の「ホーム」アプリから直接接続する事ができ、ショートカットアプリ経由でiPhone本体のバッテリー残量に応じてオン・オフの操作を行う事が可能となっています。
なおMatter規格に対応していないスマートプラグの場合でも、IFTTTなどを経由すれば同様の設定が可能です。
このTapo P110Mを単一ポートのUSB充電器に接続する事で、iPhone側のバッテリー残量の状態に連動してオン・オフを設定していきます(今回は実験のため手元にあったワイヤレス充電機を使っていますが、バッテリー寿命を最大化するのであればワイヤレスではなく有線の充電器にすると良さそうです)。
80%超過でオフ、70%未満でオンに
Appleホームアプリにスマートプラグを追加済みであれば、設定は簡単。
iPhoneの「ショートカット」アプリのオートメーションタブを開き、+ボタンから新規作成。「バッテリー残量」という項目があるので「80%より上」でプラグをオフ、「70%より下」でプラグをオンと、2つのオートメーションを作成します。
いずれもユーザーの確認不要で行う必要があるので、「すぐに実行」にを選択しておきます。
ホームにMatter規格で接続済みであれば、各バッテリー残量のトリガーに充電器のオン・オフを紐づけるだけで設定完了です。
iPhone 14以前の端末のバッテリー延命に
今回はちょうど昨年iPhone 15に乗り換えて自宅でゲーム用のサブ機として使い続けているiPhone 14 Pro Maxがあったので、バッテリーの寿命の延命のために80%以下に充電を抑える仕組みを考えてみました。
実際このiPhone 14 Pro Maxはバッテリーを一気にに消費して充電を繰り返す過酷な用途で使っているためバッテリーの消耗が早く、2年ほどの使用で最大容量が82%まで下落しています。充電を80%以下に抑える方法は他のデバイスで実践していて効果が感じられているので、もう少し早くこの方法を導入しても良かったかもしれません。
今回は80%超過でオフ、70%未満に減るとオンにしてみましたが、実用性を考えると80-85%や75-80%のような閾値に設定してみても良さそうです。
iPhone 15ではこのような手間を掛けずとも設定をオンにするだけで簡単に80%をキープできるようになっていますが、現在iPhone 14以前のiPhoneを使っており、バッテリーを100%まで充電しなくても困らない使い方をしている方であればこういった制御を導入してみるのも面白いのではないでしょうか。