昨日参加したXperia Z4 Tabletタッチ&トライアンバサダーミーティングにてお借りしたXperia Z4 Tablet SO-05Gを1日使ってみたファーストインプレッションこと第一印象を。
今回お借りできたXperia Z4 Tabletはドコモ版のSO-05G。更に別売の専用キーボードとSmartWatch 3も一緒に貸し出していただけたので、アクセサリ込みでの活用ができる形となっています。SmartWatch 3に関してはXperia Z4のアンバサダーでお借りした際に既にレビューをしているのでそちらも参考までに。
ガワは思いっきり軽量化を突き詰めた事がわかる出来
世界最薄最軽量を突き詰めた「Xperia Z4 Tablet」フォトレビューの記事にて各アングルからの写真を紹介していますが、ガワは流石「世界最薄最軽量」といったところ。かなり軽く、薄い仕上がりになっています。Xperia Z4などのガラスの板のスマートフォンと比べると高級感は落ちますが、この軽さなら全く文句が無いレベル。ただ、1日使ってみて白は汚れが目立つと感じました。
理想のAndroidタブレット用キーボード
Androidタブレットを膝上で快適に使えるキーボードは市販品では満足なものがほとんど存在せず、以前レビューしたタブレットを立てて膝上で使えるエレコムのBluetoothキーボード「TK-FBP067BK」は膝上で快適にタイピングできるものの、ポインティングデバイスが欠如しているためタッチパネル操作が必要となり、PCライクな操作性は実現していませんでした。今回ソニーがXperia Z4 Tablet用キーボード「BKB50」として発売したこのキーボードは「膝上で快適に使えるスタンド」「マルチタッチ操作ができる快適なポインティングデバイス」を兼ね備えており、まさにコンセプトだけで言えば理想のAndroidタブレット用のキーボードといったところ。
今までに様々なAndroidタブレットを使っている中でこういった製品が出てくる事を心底待ち望んでいたので、今回Xperia Z4 Tabletと共に世に送り出された事は非常に喜ばしい限りです。
価格はやや高めで、ソニーストアにて15,880円で販売されています。
マルチタッチ対応のトラックパッドは独自のソフトウェアによりAndroid上で2本指スクロールやピンチイン・ピンチアウトなどが実現。これはアプリなどでは実現できない機能で、Xperia Z4 Tabletでないと動作しないため、このために他のタブレットではなくXperia Z4 Tabletを選ぶ理由になります。
感度の感想としてはチューニングの甲斐もあって良好で、最高ではないものの問題なく操作できるレベルです。
キーボードの手前の部分に戻る・ホーム・マルチタスクのキーがあるので、トラックパッドを操作しながらあまり大きな手の移動を行わずともAndroidの画面遷移ができて非常に楽。欲を言えばマルチタッチジェスチャーでホームに戻れたりタスク切り替えが出来たりするとiPadに対抗できる操作性になって良いのではないかと思いますが、Androidタブレット市場の製品として見ればとても良い感じです。
上部に配置されたキーもかなり良い感じで、タッチパネル上部からスワイプすることなく通知を見る事ができたり、側面のボタンを同時押しする事無く1キーでスクリーンショットが保存できたりと、とても便利。戻る・ホーム・タスクの3つのキーと比べると使用頻度が少ないので、上部に並べる配置は正解なのではないでしょうか。
小技として、ファンクションキーをあまり使わないのであればPCスタイルキーボードの設定からFnキーの同時押し無しに青文字印刷の機能が使えるようになる項目があるので、オンにしておくとF12キーでAndroidではよく使う検索キーが使えて便利です。
NFCは大活躍
NFCはスマートフォン以上にタブレットでは重宝しています。というのも、単体で使う事が多いスマートフォンと比べると、タブレットはBluetoothキーボードとのペアリングだったり、XperiaスマートフォンとのXperia Link機能での接続だったりと、アクセサリを接続するシーンが多いからです。キーボードとのペアリングがスムーズにできて気持ちいいと思いました。他にもソニーからはNFC対応のスピーカーなども販売されているので、NFCは重宝する機能だと思います。
欲を言えば卓上でキーボードの上で立てている際にXperia Z4 Tabletとアクセサリをペアリングする際、後ろに回り込まないとNFCにアクセスできないので、前面からもNFCが使えれば嬉しいかなぁと思いました。
ソフトウェアはイマイチ
ハードウェア的に非常に世界的にもリードしているXperia Z4 Tabletですが、一方のソフトウェアは真逆の印象でした。例えば、キーボードを接続する事で画面左下から呼び出せるようになるこのランチャー。上部にはめ込まれたキーボードを繋いだXperia Z4 Tabletの画像は完全に飾りなのですが、下のアプリ一覧をスクロールしても上に消えてくれません。このせいで表示出来るアプリの件数が少なくなってしまい、一覧性が非常に悪くなっています。せめてスクロール時には一緒に上に流れてほしいところ。そしてランチャー自体もリサイズ・移動は不可能なので、表示件数を少しでも増やすために縦に伸ばしたり、といった事はできなくなっています。
また非常に良いキーボードが装着されたことでPCのような並行した生産的な作業ができるかと思いきや、以前GALAXYアンバサダーにてレビューしたGALAXY Tab S 10.5やiOS 9でiPadに搭載予定の画面分割機能などもなく、マルチタスクはスモールアプリもしくはサードパーティの特殊なアプリを使うしかない状況です。PCのような並行作業ができません。
スモールアプリは文字通りスモールなアプリで、Webブラウザを重ねて使える以外はウィジェット程度の機能しかないミニアプリの寄せ集めといった感じです。
Android自体がWindowsのようにマルチウィンドウでがっつり作業する志向ではないためベースとしては仕方ないのかもしれませんが、ライバルであるGalaxyはアプリをウィンドウ化して3つ以上マルチタスクできたりとソフトウェア面で大幅にリードしていたりといったところをみると、AndroidタブレットでPCライクな操作感を目指すのであればソフトウェアの作り込みは避けられない点なのではないでしょうか。
実は4K動画も再生できるスペック
2560×1600の高解像度タブレットと言えば以前Galaxy Tab S 10.1をレビューしていますが、4K動画のmp4はコマ落ちして快適に再生できませんでした。今回Xperia Z4 Tabletで4Kが再生できるか試してみたところ、あっさり再生に成功。流通している4Kのコンテンツはまだ少ないですが、主流のFullHDよりも大きな解像度を搭載しているマシンだからこそ、ひとつ上の4K解像度の動画が再生できるのはマルチメディアマシンとして重要な項目をひとつクリアしているのではないかと思います。
総合的に見て、第一印象としてハードウェアはかなり作り込まれているのに対し、ソフトウェアはまだ粗が目立つ、作りかけの状態といった印象。素のAndroidが白いご飯だとすれば、まだ茶碗をオシャレにして、塩を振った程度に見えます。味がありません。AndroidタブレットにPCの生産性を与えるのであれば、ソフトウェアの作り込みは不可欠。「単なる動画再生用の板」としての枠を抜け出すにはその点においてブレイクスルーが必要なのではないでしょうか。
ライバルのGalaxy Tabはその点ソフトウェアに非常に力を入れている一方で、ハードウェアではXperiaのような薄型・軽量・防水の三拍子が揃ったものは作れていない状況。ソフトのサムスン、ハードのソニーといった戦況でとても面白いのではないかと思います。もしサムスン以上のソフトウェアの作り込みが加われば、iPadにも勝てるかもしれませんね。