OPPOが新たに今月発売したスマートフォン「OPPO Reno A」を購入して使ってみたので紹介します。
OPPO Reno AはOPPOの新しいReno(リノ)ブランドとしては7月に発売されたOPPO Reno 10x Zoomに続く第二弾。Reno 10x Zoom(写真右)が格納式インカメラ、月も撮れるトリプルカメラ、超高性能な処理性能+冷却性能などOPPOの技術力を日本マーケットにアピールするべく投入された10万円越えの最高級モデルだったのに対し、今回のReno A(写真左)は3万円台の価格に高性能を詰め込んだ普及モデル。Reno 10x Zoomは一部のコアユーザーしか購入しない高価格帯でしたが、今回のReno Aは実際に多くの消費者の手に届くであろう本命機種といったところです。
2020年4月参入の第四の大手キャリア「楽天モバイル」のRakuten UN-LIMITプラン用の機種のラインナップにも採用されており、デュアルSIM仕様のため「1枚目のSIMは今まで使ってきたキャリア」「2枚目のSIMは楽天のデータ無制限回線」といった使い分けにもおすすめ。また楽天モデルのみ128GBのストレージを内蔵しており、通常モデルの2倍のデータが保存可能。Rakuten UN-LIMITは「1年間無料」「楽天エリアはデータ無制限」かつ機種購入に対して9500円分のポイント還元があるため、定価35,273円のところ実質25,773円で購入可能です。
また、NTT系列の格安SIMであるOCN モバイル ONEではSIMカードとセットで税込29,700円でで販売されていたりと、回線セットでお得な機種としても定番。お買い得な格安SIM各社の売れ筋モデルとして人気の機種となっています。
OPPO Reno Aのスペック
サイズ | 15.84×7.54×0.78(cm) |
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重量 | 約169.5g |
カラー | ブルー、ブラック |
OS | ColorOS 6(Android 9ベース) |
CPU | Qualcomm SDM710 |
GPU | Adreno 616 |
バッテリー | 3600mAh |
RAM | 6GB |
ストレージ | 64GB(楽天モバイル版のみ128GB) |
ディスプレイ | 6.4インチ有機EL |
ディスプレイ解像度 | 2340×1080(FullHD+) |
アウトカメラ | 1600万画素+200万画素 |
インカメラ | 2500万画素 |
FeliCa | 搭載 |
SIMスロット | nanoSIM×2(SIM2はmicroSDスロット兼用) |
対応LTEバンド | 1、2、3、4、5、7、8、18、19、26、28、38、39、40、41 |
生体認証 | 画面内指紋認証 |
防水・防塵 | 対応(IP67) |
接続端子 | USB type C |
Reno Aは価格帯としては3万円台後半と比較的お手頃ではありますが、搭載CPUがSnapDragon 710、搭載RAMが6GBと、処理性能に比較的余裕があるのが特徴。ゲームの快適性を売りにしており、実際多くのゲームが快適にプレイできます。
なお、データ保存用の内蔵ストレージは通常モデルが64GB、楽天モバイルで販売されているモデルが128GB。microSDカードで容量は増設できるものの、片方のSIMスロットはmicroSDスロット兼用となっているためデュアルSIMを活用したい方は楽天モバイル版が容量に余裕があっておすすめです。
また処理性能以外の使い勝手の面でも装備が充実しており、日本国内で電子決済するためのFeliCaをSIMフリースマホながら装備。Suicaで公共交通機関に乗ったりといったおサイフケータイの機能を使うことができます。防水防塵(IP67)にも対応しており、日本国内マーケットのニーズを強く意識したモデルとなっています。
他にもデュアルSIMスロットで2つの電話番号で同時待ち受けできるDSDV対応、画面内指紋認証、狭額縁有機ELディスプレイなど近年の上位スマートフォンのトレンドも汲んでおり、この価格の機種としては大盤振る舞いな装備。スペックシートを見るだけでもこの価格帯として卓越した充実度が分かる内容となっています。
それでは、早速実機に触れていきます。
パッケージ
OPPO Reno Aのパッケージは最近のスマートフォンとしては少し大きめ。縦に長いグレーの箱となっています。
箱を開封すると本体より先にOPPOロゴの入った冊子類のスリーブが現れます。
クイックガイドなどのマニュアルは最低限。
冊子類の下にはReno A本体が入っています。
本体の下に入っている付属品はイヤホン、ACアダプタ、USB type Cケーブル、純正クリアケース。
ケーブルの下にはSIMカード交換用のSIMピンも同梱されています。
同梱品は充電器とイヤホンが両方入っていて、別途購入しなくて良いのは嬉しいところ。対照的に、先日Y!mobileオンラインストアにて購入したソニーのXperia 8はこういった付属品は無く本体のみでした。Reno Aは本体の性能的にもコストパフォーマンスの良い製品だと思いますが、付属品も別途購入しなくて良いのも加えてコストパフォーマンスの高さを感じられるポイントなのではないかと思います。
余談ですが、白いイヤホン・ACアダプタ・ケーブルが入っているのは何となくiPhoneのパッケージを彷彿とさせますね。
本体デザイン
今回購入したのはブルーのOPPO Reno A。ブルーとブラックのみのラインナップなのは少し寂しい気もしますが、このブルーはとても良い色なのではないかと思います。
ディスプレイ側のベゼルは黒。
カメラ部分は滑らかな曲線の切り込みの狭額縁となっており、切り込み「ノッチ」付きのスマートフォンの中では比較的気にならない形状。
背面は綺麗な緑から青に向かうグラデーションカラーとなっています。
中央にはFeliCaのロゴがあり、おサイフケータイを利用する事ができます。
デュアルカメラ部分は盛り上がっていますが、盛り上がり方は控えめ。卓上に置いてもそれほど段差が気にならない程度の段差です。
背面の両端は丸みを帯びた形状をしており、持ちやすさは良好。
端末下部は3.5mmイヤホンジャック、マイク、USB type Cポート、スピーカーを搭載。防水端末でありながら、しっかり有線のイヤホンジャックを搭載しているのは地味に嬉しいところ。
右側面は電源ボタンを搭載しており、緑色。
ボタンには緑色のラインが入っており、分かりやすいです。
左側面はSIM/microSDスロットとボリュームキーを搭載しており、青色。
ボリュームキーは電源と違いラインが入っていないので、触った感触で違いが分かりやすいです。
SIMスロットはデュアルSIM。ただしSIM2はmicroSDスロットと兼用。SIMカードを入れている際はmicroSDが入れられず、microSDを入れている時はSIM2スロットにはSIMが入らないシングルSIMになります。
カメラ性能を作例でチェック
Reno Aは1600万画素+200万画素のデュアルカメラ。200万画素カメラは被写界深度測定に使われ、ポートレートモードで背景をぼかした撮影が可能となっています。
実際に撮影した作例は以下のとおり(元画像は幅2480pxに縮小しています)。
晴れの日の空を撮影。可もなく不可もなくといった感じですが、色に不自然なところもなく、低価格モデルにありがちな「いかにも格安スマホ」といったネガは感じません。
続いて、夜間の手持ち撮影。照明の明るい部分も飛ぶ事なく捉えられており、左下の「明治通り」の道路名や右側のビルの壁の文字も潰れずに読めるディテール感があります。
食事の撮影。イクラのみずみずしさ、白米の白色も不自然にならず出ているのではないかと思います。
ポートレートモードの撮影例。カップのようなシンプルな被写体であれば輪郭のぼかしは不自然なく反映されます。また、iPhoneのポートレートモードと違って被写体に寄れるのも嬉しいところ。iPhoneでは「離れてください」と標示され撮るのが難しい卓上のドリンクのように近くにある被写体でも全く問題なくポートレートモードで撮れるのは便利です。
カメラの総評としては、全体的に価格以上の性能だと感じました。上位モデルのReno 10x Zoomのように全部入りの10倍望遠や超広角、光学手ブレ補正などの充実したハードウェアではないものの、通常の広角カメラ+被写体深度測定カメラのデュアルカメラで「普通に使えるカメラ」に仕上がっていると思います。
画面内指紋認証+顔認証で快適
Reno Aはディスプレイ指紋認証を搭載しているのが特徴。タッチパネルに指を置く事でそのまま指紋認証できてしまうこの機能ですが、やはりこの価格帯のモデルに搭載されているのはインパクトがあります。
またセキュリティレベルは劣るものの、顔認証との併用も可能。卓上に置いてある時は指紋認証、手に持って顔に向けている時は顔認証と、併用する事で素早く快適にロック解除できます。
処理性能ベンチマーク
AnTuTuベンチマークとGeekbenchでの処理性能のベンチマーク結果は上記のとおり。AnTuTuスコアが19万弱と、フラッグシップほど高くは無いもののSnapdragon 710+RAM 6GBの性能を感じさせる高めのスコアとなっています。
実際にゲームをプレイ
Reno Aは先述したSnapdragon 710+RAM 6GBの余裕ある処理性能に加え、「ゲームスペース」によってゲーム中はタッチパネルの応答性を向上、通知をブロック、バックグラウンド通信を制限、メモリ解放、明るさを固定など、ゲームプレイを快適にしてくれる機能があります。
実際、PUBG系3DバトルロワイヤルゲームCyber Hunterをプレイしてみたところ、安定して60fps出るとまではいかないものの、プレイ中にカクつく事はなく、ゲーム設定を「スムーズ」にすればかなりしっかりと熱中してプレイする事ができました。
発熱もケース無しで本体を持っていてプレイ中に全く気にならないレベルで、この価格帯のスマホでここまでゲームがプレイできれば御の字です。さすがはCMどおり「いろいろと余裕のスマホ」といったところでしょうか。
スピーカーは本体下側のUSB端子横にあるモノラルスピーカー1つのみなので、この手の音(敵の足音や銃声など)の指向性が重要なゲームはヘッドホンを使ってプレイしたほうが良いかもしれません。幸い、Reno Aには3.5mm有線ヘッドホン端子が搭載されているので別途アダプタなどは必要ありません。
保護フィルムは貼り付け済み!
Reno Aは他のOPPOのスマートフォン同様、最初から保護フィルムが貼り付けられています。そのため、基本的には保護フィルムは別途購入しなくても問題なさそうです。万が一傷付いてしまった場合はミヤビックスのOverlayシリーズなどサードパーティの保護フィルムが発売されているので、初期フィルムを剥がして貼り直せばOKです。
楽天版は容量128GBと引き換えに楽天ブートロゴ
今回購入した楽天モバイル版ですが、2倍の128GB潤沢なストレージ容量があるのは嬉しい一方で、起動時に楽天のロゴが出るのが「キャリアスマホ」っぽさを感じました。本体を再起動する機会は中々無いので普段は気にならないのですが、楽天版の数少ないデメリットとも言えます。
Reno Aは本当に「いろいろと余裕のスマホ」だった
今回個人的にはドコモ・au・ソフトバンクに続いて第四のキャリアとして参入する「楽天」で使うため楽天モバイルの取り揃えていた対応ラインナップの中で仕方なく購入したReno Aですが、実際に使ってみると想像以上に実力派のスマホで驚きました。改めてReno Aに感じた魅力まとめると以下のとおり。
- 3Dゲームも割といける余裕の処理性能
- 防水防塵・おサイフケータイ搭載で実用的
- カメラ性能もしっかり実用レベル
- 色・筐体デザインが綺麗で満足感が高い
- 充電器・イヤホン・ケース・保護フィルムが付属し別途購入不要
10万円前後の高級スマートフォンのような最上級の性能は要らないものの、普段使いの中で不満を持つほど性能の低い格安スマホも嫌、という中間を求める層にはぴったりのバランス感のスマホに仕上がっていると感じました。これといって普段使いで気になるほどの大きな欠点もなく、本当にコスパの良い「いろいろと余裕のスマホ」だと思います。発売初週にSIMフリースマートフォン実売台数週間1位を獲得したそうですが、それも納得のパッケージング。
端末分離プランの義務化で高価格な端末が買いにくくなったこのタイミングで、この価格帯この性能の端末を投入してきたOPPOは絶妙。Reno Aの1年前に投入されたOPPO R15 Neoも以前レビューしましたが、価格帯は違えど、あの世代の「安かろう悪かろう」感の面影はもうこのReno Aからは殆ど払拭され、これからシェアを伸ばしそうなメーカーという印象をこの機種からは受けました。
OPPO Reno AはAmazonやOPPO公式楽天市場店などで単体で販売されているほか、楽天モバイル、LINEモバイル、IIJmioなどのMVNO事業者で取り扱いしており、いずれも税込価格で約4万円弱。そこそこ安く、しっかり使えるスマホを探している方にはおすすめの一台です。
品薄の場合、即納の未使用品・中古品も手
OPPO Reno Aは発売以来高い人気により品薄が続いており、Amazonや直販サイトで品切れとなっている場合もしばしば。機種単体ですぐに手に入れたい場合は、スマートフォンの買取・販売を行なっているイオシスにて在庫を探すのも手。未使用品の場合は64GBモデルが36,800円、128GBモデルが39,800円で購入可能で、中古品の場合は最安31,800円から購入可能です。
回線付きなら容量2倍モデル専売&1年無料の楽天モバイルがおすすめ
楽天モバイルは2020年4月よりドコモ・au・ソフトバンクに続く「第四のキャリア」として自社の通信網を整備した通信キャリアとして「Rakuten UN-LIMIT」のサービスを開始しており、1年間月額無料、楽天エリア内はデータ無制限、エリア外のau乗り入れも月々5GB&超過後も1Mbpsと大盤振る舞いの内容。楽天で販売されるReno Aは本体のストレージが通常版の2倍の128GBとなっており、機種代金も9500ポイント還元でお得であったりと、もしReno Aを買うのであれば楽天モバイルで買うのがメリットが多く、おすすめです。