iPhone販売へのNTTドコモの参入を受け、ソフトバンクモバイルは2014年7月を予定していた900MHz帯の「プラチナ」LTE網の整備を4月まで前倒しする流れになりました。
ソフトバンクモバイルは米アップルのスマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)」向け高速データ通信サービス「LTE」のインフラ整備を前倒しする。来年4月をめどにLTEに使う電波を現状の2種類から3種類に増やし、安定して通信できる環境を整える。
NTTドコモが11日にiPhone導入を正式発表したのを受け、前倒しを決めた。今後の競争激化をにらみ、通信品質の改善を急ぐ。
ソフトバンクは自社が保有する電波と関連会社イー・アクセスが持つ電波を活用し「iPhone」の現行モデル「5」向けにLTEを提供している。20日に発売する新モデル「5s」「5c」向けに、来年4月から900メガ(メガは100万)ヘルツ帯と呼ぶ電波もLTEで使えるようにする。
現在の状況ではSoftBankの新型iPhoneは自社の2.1GHz帯とイーモバイルLTEを転用した1.7GHz帯の2種類のLTEのみ利用可能な状況で、docomo/auのiPhone 5s/iPhone 5cは800MHzが発売時から利用できる事から、SoftBankは遅れを取る事になります。これを受け、今回900MHzのプラチナバンドを利用したLTE網の整備を前倒しする事によって、2社に対抗する形です。
昨年のソフトバンクモバイルもKDDIに対抗するためイーモバイルを買収する事によって1.7GHzのLTE網を取得、後日のアップデートによる対応で「ダブルLTE」を展開しましたが、今年も他社に対抗するために事前の計画を変更してまで「トリプルLTE」をアピールするという荒技を見せてくれる事になりました。
NTTドコモ・KDDIが有利と見られていた今回の新型iPhone商戦ですが、逆転を狙うSoftBankの今後の対抗策から目が離せません。