発売日から1週間以上経過して何とも言えないタイミングではありますが、悩んだ末にGalaxy Z Fold7を購入し、今まで毎年買ってきたiPhoneから乗り換える事にしたのでその経緯を書き記してみます。
目次
Galaxy Z Fold7を購入した経緯

2025年8月1日の発売日から盛り上がっていたGalaxy Z Fold7ですが、良い機種だなと思いつつも中々購入にまでは至りませんでした。ただ検討すればするほど今のiPhoneを置き換えるに最適な機種だと感じたため、家電量販店などではどこも売り切れになっている今のタイミングでも在庫が残っていたサムスン公式ストアで注文しました。
私は2011年の4月に自分で携帯電話が契約できる年齢となったタイミングで発売されたホワイトのiPhone 4を購入し、それ以降は2024年まで毎年欠かさずiPhoneの新機種を買い続けてきました。iPhone 5s/5cでモデルが分岐してからは年2〜3モデル購入する事も多く、歴代iPhoneをかなりの愛好家的な立ち位置で使ってきました。
その間にiPhoneの台数以上のAndroidスマートフォンも購入してきましたが、いわゆる「メインスマホ」に昇格する事はほとんど無く、あくまでサブの域を出ない補助的な端末の位置付け。また2016年まではFeliCa目当てでiPhoneとAndroidを2台持ちしていましたが、Apple PayがiPhone 7に搭載されてからはその必要性も無くなり、その後は大画面目当てのXperia XA Ultra、カメラ目当てのXperia 1 III、最近では専用グリップでカメラ的に使えるXiaomi 14 Ultraといった具合にiPhoneの痒い所に手が届くような位置付けの機種を中心に買っていました。
初代Galaxy Foldも2019年にレビューしていますがサムスン初のフォルダブルはまだまだメインに据えられるものではなく、こちらも例に漏れずサブ端末的にポケットに入るAndroidタブレット程度の位置付けにしかなりませんでした。
そして近年はiPhoneの1台持ちで過ごす事がほとんどで、サブ的にAndroidを持ち歩くのは小旅行的にコンデジの代わりのXiaomi 14 Ultraを持ち出す時、といった具合。荷物をシンプルにするため「1台にまとめたい」という気持ちが強くiPhone 16 Pro Maxを使っていますが、とはいえ最適解かと言えばそうでもないと感じている部分も気付けば多くなっていました。
そんなタイミングで登場したのがGalaxy Z Fold7。先代モデルのFold6から筐体が大幅にアップデートされた事で「メインスマホ」としてiPhoneを置き換えるに相応しい要素が揃ったと感じ、購入に踏み切るだけでなく「購入してiPhoneを置き換えてみる」と決意させるものになっていました。
要因は一つではなく複合的なものなので、一つずつ順を追って説明していきます。
iPhoneを手放してGalaxy Z Fold7に乗り換える理由
1. 純粋にGalaxy Z Fold7がワクワクする端末だったから

まず第一に、Galaxy Z Fold7が純粋にワクワクする端末だったというのが一番大きい要素です。
近年のiPhoneは毎年の新モデルの変化度合いが少なく、一昔前と比べると鈍化しているのは一目瞭然。特にiPhone 12以降は顕著で、本質的な体験が大きく変わるような変化は以前と比べると非常に少なくなったと感じています。毎年買っている身で言うのも変な話ですが、最近は自宅では楽に片手で使えるiPhone 12 miniを愛用しており、電池持ち以外は大きな不満や違和感も無く使えてしまっている事から5年間の変化の少なさを改めて感じさせられています(逆にiPhone 12の時点でほぼ完成しており、完成度が非常に高かったとも言えます)。
それと比べてGalaxy Z Fold7は先代モデルから一気に薄型化・軽量化され、満を持してフォルダブルとスマートフォンの間にあった壁を壊したとようやく感じられる製品となっており、ブレイクスルー的なモデルになっている事からガジェットとしてのワクワク感が非常に大きいと感じました。
2. iPhoneのAIとカメラが期待外れだったから

「毎年新しいiPhoneを買うサイクルをやめよう」と思ったのは、iPhone 16 Pro Maxへの落胆が背景にあります。そもそもiPhone 15の時点でもそろそろやめようかとは思っていたのですが、14から15で大画面モデルからサイズダウンしたためiPhone 15の電池持ちに不満が大きかったのと、アップデートが予告されていたApple Intelligenceの対応から早速iPhone 15が切り捨てられてしまっていたのが大きな理由となり、結局iPhone 16 Pro Maxを購入しました。
しかし半年後のアップデートでいざ蓋を開けてみればApple Intelligenceは驚くほど期待外れな完成度で、目まぐるしい速度で進化を続けるAI界に年単位の遅れを取った物が出荷されており、iPhoneの新モデルの「Apple Intelligence対応」は1ミリのアドバンテージも感じられないものでした。
一方のAndroidはプラットフォームとしての拡張性も相まってAIの恩恵を受けやすい事は対岸のAppleの庭に居てもひしひしと感じられており、GoogleのGeminiが普段使いでApple Intelligenceを大きく上回る利便性なのはもちろん、AI検索に特化したPerplexityもiOSでは単純な検索アプリなところ、Android版は音声アシスタントやエージェントの機能が揃っていて非常に高機能です。
またカメラに関してもiPhone 16 Pro Maxの半額で購入できたXiaomi 14 Ultraに大きく劣るもので、ナチュラルな写りは日常の中で不満があるほど悪くはないものの、写真を撮る事自体の高揚感はカメラに長けたXiaomiと比べると極めて少なく、写真を記録する行為の多くが作業的になりがちでした。
ライカ監修のXiaomi 14 Ultraは撮っていて非常に楽しく、もっと写真を撮りたいと思わせてくれます。iPhoneのナチュラルな写りは安心感があり、動画撮影性能も非常に高く感じますが、カメラのために買うものかと言えば金額と並べると疑問符が浮かびます。
これらの要素を購入時に支払った20万円オーバーの値札(Pro Max、512GBの場合)と照らし合わせると、同じ金額でもっと良い体験が得られそうだと思い始めたのが脱iPhoneを考える大きな理由でした。
3. 軽さ、薄さと「細さ」に魅力を感じたから

Galaxy Z Fold7に惹かれたポイントとして、その軽さ・薄さ以外に「幅の細さ」があります。
個人的にスマートフォンはコンパクトモデルの持ちやすさと大画面モデルのバッテリー容量・性能両方に魅力を感じており、ここ数年使ったiPhoneも以下のように大小モデルを行き来しています。
- iPhone 13 mini(小ささ&軽さ目当て)
- iPhone 14 Pro Max(電池持ち&性能目当て)
- iPhone 14 Plus(電池持ち&軽さ目当て)
- iPhone 15(小ささ&軽さ目当て)
- iPhone 16 Pro Max(電池持ち&性能目当て)
結局どのモデルを使っても全ての要望が満たされる事は無く何かしらの妥協は必要だったのですが、Galaxy Z Fold7に関しては閉じた状態での持ちやすさに優れており、良いバランスでコンパクトモデル的な持ちやすさ(軽さ・薄さ・細さ)を閉じた状態で実現しつつ、開いた状態で大画面も使え、バッテリー容量もそれなりに大きなものを確保しています。
iPhone 16 Pro Maxは日々使っていて太くて重いのが不満点として感じられていたので、これを解消しつつタブレット的な大画面も手に入るのであれば一挙両得です。数値で比較するとそれほど大きな差ではないのですが、実際に持ってみるとGalaxy Z Fold7は非常に持ちやすい形状をしていて、これぞ求めていた形状だと強く感じるものでした。
iPhone 17シリーズにも薄型・軽量・大画面の要素を兼ね備えたモデルが出ると噂されてはいますが、その構成の場合犠牲になるのは当然電池持ち。また、自分が「細さ」をある程度求めている事も考慮するとその太さと電池持ちの2点は不満要素になる可能性が高いため、来月の発表を待たずFoldへの移行に踏み切るのが良いと考えました。
4. 大画面で写真・360度動画の確認と軽い編集がしたいから
今年は今までの車趣味に加えて普通自動二輪・大型自動二輪の免許を取得し、夫婦でバイクツーリングに出掛ける機会も増えました。その際カメラでの静止画だけでなく、Insta360 X4やAKASO 360などの360度カメラで旅の記録を撮る事も車旅と比べて増えてきました。
360度カメラは前後のレンズで全方位を記録してから好きな画角を切り出せるのが魅力ですが、切り出すという工程が通常のアクションカメラに加えて増えています。iPhoneでも問題無くできるのですが、やはり画面は大きいに越した事はなく、結局Insta360+を使ってクラウドに自動アップロードしてからMacで編集する事も正直多いです。

また360度カメラは横長の16:9も縦長の9:16も好きに切り出して編集できるため、開いたGalaxy Z Fold7のような正方形に近い端末との相性は抜群。iPhone縦持ちの場合は縦長動画は作りやすいですが、横長となると最大モデルのiPhone 16 Pro Maxでも画面の横幅分の非常に小さい領域で確認する事になるため、これがGalaxy Z Fold7になると劇的にやりやすくなる事は間違い無さそうです。
カメラに関しては実際使ってみないと自分に使用感が合うかは分からないものの、スペックとしては1億画素のメインカメラ+超広角&3倍望遠という申し分無い構成で、旅先の現地で撮った写真をその場で確認・編集して共有するにもiPhone以上に重宝しそうです。
5. ワイヤレスAndroid Auto環境が整ってきたから
今まで車用のディスプレイオーディオの無線接続はワイヤレスCarPlayのみ先行対応しているものが多く、Android Autoは有線のみという製品が一般的でした。私が普段使っているALPINE DA7ZもワイヤレスCarPlay対応初期のもので、Android Autoは有線接続のみ対応となっています。
ただ、現在はこれに車載Android端末Ottocast NanoAIを取り付ける事によってスマートフォンとの接続無しにAndroid版Googleマップが使える状態になっている上、NanoAI上のレシーバーを介してワイヤレスAndroid Autoも利用可能な環境となっています。
これによりワイヤレスCarPlayが最近は不要となっているのと、現行のディスプレイオーディオはAndroid Auto対応の物が増えてきた事から今後の増車・乗換に伴う新規導入時にはiPhoneでもAndroidでも問題が無くなりそうな事から、iPhoneでなくてはならない理由がほぼ無くなっている状態です。

またバイクに関しても以前起動画面のカスタマイズ記事で紹介したスマートモニターSpedal CL871はワイヤレスCarPlay・ワイヤレスAndroid Auto両対応となっており、iPhoneからAndroidに乗り換えても全く支障の無い製品となっています。
カーナビなどの車関連の電装は昔からiPod/iPhoneのみオーディオの対応が手厚く接続がdockケーブルだったりiOSのみBluetoothでジャケット表示ができたり、有線時代もCarPlayのみ対応でAndroid Autoは後回しだったり、ワイヤレスもCarPlayのみ先行対応であったりとApple優遇の色が非常に強い時代が長く続いていましたが、近年ようやく脱Appleしやすい環境が整ってきたのかなと感じています。
6. Pixel Watch 3でも電子決済に困らない事が分かったから

最初はApple Payが使えるApple Watch一強だった腕時計型の電子決済ですが、近年はそれ以外の選択肢も増えてきているようで、今年Pixel Watch 3を非公式アプリでiPhoneと無理矢理組み合わせて使い始めたところ全く不便無く日頃の決済を済ませる事ができる事が分かりました。
ここ数年のVISAタッチの劇的な普及もこの背景にあり、同じクレジットカードでもApple WatchだとQUICPayになるものがPixel WatchだとVISAタッチになってしまうのが、実際に使ってみると全く困らない社会になっていました。
決済だけ見ればGalaxy Z Fold7自体にもFeliCaは搭載されていますが、それとは別にApple Watchに縛られ続ける必要が無くなったというAppleエコシステムからの脱却が事前に済んでいたのは大きなポイントかもしれません。
7. LINEの履歴の障壁が無くなったから

従来はiPhoneとAndroidの間を行き来する場合、LINEの全期間の履歴を保持する事ができず、過去のトーク内容は諦めるしかありませんでした。しかし近年のアップデートでAndroidからサブ端末としてログインしてiOS側の履歴を保持できたり、OS間を跨いだ移行のプレミアムバックアップ機能が提供開始されたり、Galaxyに関してはサムスンのSmart Switchを使ってiOSからGalaxy端末に直接トーク履歴を移行できるようになったりと、LINEの履歴によるOS間の障壁はいくつかの方法で乗り越えられるようになりました。
それほどLINEの全履歴に執着があるわけでもないのですが、これらのお陰で心理的障壁は確実に一つ減ったと言えます。
初めての本格的な「脱iPhone」

先述のとおり私は今までiPhoneが中心で、Androidはあくまでサブ機の域を出ない使い方をしてきたため、普段1台だけ持ち歩く「メイン」のスマートフォンをiPhoneからAndroidに置き換えるというのは初の試み。
1台でスマートフォンとタブレットを兼ねるというフォルダブルの魅力を最大限感じるには1台持ちにする事が大事なので、iPhoneを併せ持つ退路は今回は意図的に絶ってみます。これが上手くいくかは未知数ですが、これほど乗り換えに好都合な条件が一通り揃ってきたタイミングなので挑戦してみる価値はあるでしょう。幸いiPhoneは依然としてリセールバリューが高く、iPhoneを手放す事でGalaxy Z Fold7の購入費の大部分を賄う事ができるのも嬉しいところです。
Apple製品同士で固めたエコシステムは当然快適ではあるものの、その一方で以前試したiPhone用の非公式アプリでPixel Watch 3を使うといった抜け道的な運用も好きなので、MacとAndroidの連携を試行錯誤してみるのはとても楽しみな要素ではあります。
また現在iPhoneではAppleショートカットアプリを用いた自動化をいくつか取り入れており、例えば車やバイクのカーナビやディスプレイオーディオと接続するたびにGoogleスプレッドシートに最新の接続日時を自動で記録し、一定日数乗っていない車両を自動で通知する事でバッテリー上がりを予防するといった具合の活用をしているため、こういった今まで構築してきたオートメーションを改めて見直してAndroidに最適化していく必要がありそうです。
Galaxy Z Fold7は2019年に投稿した初代Galaxy Foldのレビューで取り上げていた分厚さや外画面の小ささを中心とした問題が世代を重ねて払拭されて当時の懸念が全て解消していそうなので、発売日からは遅ればせながら届くのがかなり楽しみな一台です。本腰を入れてメイン端末として使っていく予定なので、移行して使ってみた後もまた追って使用感の感想を書いていこうと思います。