北米版のNexus 5(LG-D820)は米SprintのトライバンドLTEサービス「Spark」に含まれるBand 41を有効化する事ができます。
Nexus 5 LG-D820のSprint向けのBand 41は国内で展開されているWiMAX2+及びSoftBank 4G(AXGP)と互換性があり、それぞれau 4G LTE・SoftBank 4G LTEのSIMカードを挿入しAPNを設定する事で接続する事ができます。
手順
まず、Nexus 5 LG-D820にNexus 5 Field Test Modeをインストール。これは北米版Nexus 5にプリインストールされるキャリア用のフィールドテストモードを簡単に起動する事ができるアプリです。
このアプリでLTE関連の設定を変更するためにはSprintから発行されるMSLコードもしくはroot権限でこれを回避する事が必要ですが、PCからUSBデバッグ接続する事によってアプリに要求されるMSLコードを取得する事ができます。USBデバッグできるPCであればMacでもWindowsでもLinuxでも可能。Nexus 5側で開発者モード/USBデバッグを有効化した上でPCにAndroid SDKをインストールし、adbが使えるようpathを設定しておきます(OSごとの設定はここでは省略します)。
まず、USBケーブルでNexus 5とPCを接続した状態でターミナル(コマンドプロンプト・端末)上で「adb logcat」と入力しエンター。PC側でNexus 5のログを見れるようにしておきます。
ここでNexus 5上ではService Codeを要求されますが、これはSprintの発行するMSLコード。Sprintと契約しているNexus 5であればSprintに電話する事で取得できますが、adbのcatlog上で要求されているコードのログが出力されているのでPC側からコードを取得できます。
getCommands commandId 200 = XXXXXX-END
PC側を見ると上記のようにログが出力されているはずなので、XXXXXXに表示されている6桁の番号をそのままNexus 5側のService Codeに入力すると次の画面へ進む事ができます。
「Band41 Enable/Disable」の項目をタップし、Enableを選択。これでBand 41の有効化設定は完了で、バックキーを押して設定を抜けると自動で再起動されます。
以上で北米版のNexus 5(LG-D820)のBand 41の有効化は完了。実際に接続できているか確認するためには同アプリから「Field Test」「LTE Engineering」の順に選択し、Bandの項目に41と表示されていれば接続されています。ただし国内に関してはau/SoftBank共にBand 1のLTEが広く展開されており、今回の方法ではBand 41に固定する事ができないため、au/SoftBankどちらのキャリアもau 4G LTE/SoftBank 4G LTEの電波が弱いかつWiMAX2+/SoftBank 4Gの電波が強い場所を見つけなければ接続できないものと見られます。