2018年を総括して、今年買った物のうち良かったもの、逆にイマイチだったものを振り返ってみます。
昨年も「2017年は新カテゴリのガジェット満載の年!買って良かったもの、良くなかったもの13個を本音で語る」というタイトルで同様の記事を書いていますが、今年も今年のベストバイガジェット Advent Calendar 2018の一環として書いてみます。まずは、買って良かったものから。
買ってよかった物5個
今年買ったものの中から、買って良かったものを5個ピックアップしてみました。
1. iPhone XS Max
王道ですが、個人的に今年一番良かった買い物がこれ。購入したガジェットの中でダントツ使用時間が長いのは勿論のこと、過去のiPhoneと比べてもヒットでした。レビューでも書いたとおり過去最大サイズの6.5インチディスプレイを搭載し、iPhone X世代にあった発熱問題もクリアし、画面サイズ・性能共に歴代最強モデルになったiPhone XS Max。発売後Adobe Lightroomも対応し、ポケットに入るデバイスながらスマホとしてはかなり大きな画面でフォトレタッチが行えるようになりました。
筆者は普段カバンを持たずに手ブラで生活しているので、このiPhone XS Maxは強力なデバイス。後述するソニーのミラーレスカメラのα6000からiPhone XS MaxにRAWファイルを取り込み、iPhone上で直接レタッチ&Adobe Creative Cloudのクラウドストレージに同期。書き出し&ブログへのアップロードもiOS 12以降提供されているショートカットアプリで一括で行えるなど、このブログのレビュー記事の大部分を電車移動中などにスマホの画面上だけで完結させられるので大変重宝しています。
3年前のベストバイ記事で12インチMacBookをベストバイ認定した頃は「MacBookさえあればどこでもブログの作業ができる」という気持ちでMacBookを肌身離さず愛用していましたが、それが今となっては「iPhone XS Maxさえあればどこでもブログの作業ができる」に変わりました。サイズこそはPCやタブレットには劣るものの、処理性能的には手持ちのMacBookより圧倒的にサクサクとフォトレタッチ&書き出しができるのが強み。MacBookを入れるために持っていたカバンも持たないようになり、ライフスタイルを大きく変えたデバイスです。
2. 11インチiPad Pro
iPadに関しては実はiPad Air 2以来の購入だった11インチiPad Pro。iPadは自分の買い方としては毎年買い換えるものではなく、区切りの良いモデルを買って出来るだけ長く使う、というスタンス。前に使っていたiPad Air 2は特にこれに成功した例で、当時のデバイスとしては卓越した処理性能と薄型筐体を持っており、お陰で2014年〜2018年の4年間もの長期間の間使い続ける事ができました。
そして11インチiPad Proも、今後長く使い続ける前提で選んだモデル。今回ホームボタンごとベゼルが削られ解像度が変わり、従来ベゼルだった部分にまで画面が広がりワイド化されましたが、これがiOS 12のSplitViewによる画面分割との相性が抜群。アプリやブラウザを左右分割してマルチタスクするのに最適な画面の縦横比となっています。マルチタスクを見据えたワイドな新解像度、現行のモバイルデバイスの中では卓越した処理性能、どちらも長期間使うのであれば好条件。実際触ってみて、今後長く使えるデバイスだと感じました。
フォトレタッチに愛用しているLightroomアプリもいち早くこの新型11インチiPad Proの解像度に対応したため、カメラ一式持って出かける際はカメラバッグに入れて撮影したその場で取り込んでレタッチ&現像する用に重宝しています。
3. Apple Watch Hermès (Series 4)
Apple Watchに関しては初代のApple Watch Sportを購入、のちにバッテリーの不具合でデュアルコアのApple Watch Series 1に交換になったものを今年まで使い続けていましたが、新しく発表されたApple Watch Series 4のHermès(エルメス)モデルを購入して久々に買い替えました。
Apple Watch Series 4は筐体デザインが刷新され、より丸みを帯びた見た目に。初代に感じた「ガジェット感」が薄れ、よりファッショナブルになりました。それにマッチするHermès限定の文字盤・バンドと組み合わされる事で、とても完成度・満足度の高い外観デザインとなっています。
またSeries 4になりセンサー類がアップグレードされた事で、Apple Watchを口元に引き上げて「Hey Siri」の掛け声無しに直接Siriによる音声操作が開始できる「Raise to Speak」の精度が格段にアップ、そしてiOS 12以降のショートカットアプリがSiriと連携できる事から、Apple Watchを口元に寄せて命令するだけで様々なアプリと連携してより多くの操作が実行できるようになりました。音声操作デバイスとしての実用性がかなり高くなっています。
実際の使用例の一つとしては、Apple Watchを付けて車でドライブ中、左手を口元に持ってきて「ラルクを流して」とお願いすると「ラルク」というプレイリストをカーオーディオに接続されたiPhoneが流してくれます。発声ボタンを押す必要も無く、「Hey Siri」を言う必要も無いので、かなりナチュラルに操作できて快適で、とても気分が上がります。
見た目の完成度の高さ、Series 4になって格上げされた実用性、どちらを取っても満足度の高い買い物でした。もしSeries 2、Series 3の頃に買っていたらこの快適性は無かったので、今年のタイミングで買って良かったなと思います。
4. GoPro HERO7 Black
12月のPayPayキャンペーンでビックカメラで購入したところ、運良く全額還元で実質無料で手に入れる事のできたアクションカメラGoPro HERO7 Black。これがかなり楽しいです。ジンバル並の手ブレ補正を謳っている最上位モデル「Black」だけに、単体手持ちで撮影してもかなり安定した動画を撮る事ができます。手持ち撮影をテストしてみた動画は以下のとおり。
強力な電子式手ブレ補正を搭載した撮影クオリティもさることながら、撮影後の動画の取り扱いも便利なのが魅力。本体にWiFiが内蔵されており、スマホのアプリとWiFi接続すると自動で転送され、簡単にまとめ動画が作成できるため編集の手間いらず。煩わしいUSBケーブルやアダプタなどは不要で、スマホとGoProさえ持っていれば出先でサクっと撮影してスマホに転送してシェアできる手軽さがあります。
GPSを内蔵しているため車の前方に車載して地図をオーバーレイしたドライブ動画を撮影したりといった本格的な動画作成も可能な一方で、WiFi搭載&充実した純正アプリの編集機能による手軽さも両立しており、近年買ったこの手のカメラの中では一番楽しいと感じるアイテムでした。作例がたまってきたら頃にでもレビューを書こうと思っています。
5. SONY α6000
ブログに書いてはいませんでしたが、実は今年春にカメラを新調しました。購入したのはソニーのミラーレスカメラのα6000。このブログではかなり初期の頃からRX100というソニーのコンデジを使ってレビュー用の写真を撮ってきましたが、今年はレンズ交換式のカメラを勉強しつつレビュー写真のクオリティを上げていきたいと思い、約5万円というソニーのミラーレスの中でも比較的手頃な価格で手に入るα6000というモデルを選択しました。
レンズは純正キットレンズの他にSIGMAのArt 30mm F2.8 DNという安価な単焦点レンズや、7artisans 7.5mm F2.8というマニュアル魚眼レンズなど低価格で小型なレンズを中心にいくつか購入して試しています。基本的にブログの写真はSIGMAの単焦点で撮影していますが、外出先では先述した魚眼レンズや他の望遠ズームレンズなど色々とレンズ交換して撮影を楽しんでいます。上記の写真は7artisans 7.5mm F2.8の作例。
α6000+低価格レンズの組み合わせは比較的リーズナブルにレンズを使い分けた写真撮影を楽しむ事ができ、また嵩張らないため気軽に持ち歩いて写真を撮って色々と試す事ができたため、ずっとコンデジしか使ってこなかった筆者のようなユーザーの入門用としては良い買い物だったと思っています。
買って後悔した物5個
後半は期待して購入したものの、実際はあまり使用頻度が高くならなかった物を紹介していきます。
1. Huawei P20 Pro
卓越したカメラ性能が話題になったファーウェイのP20 Pro HW-01K。実際に購入してカメラ性能を試すレビューも投稿しましたが、カメラ単体として見たら素晴らしい一方で、やはりトータルバランスで見てスマートフォンとして普段使いしたい機種ではありませんでした。
SIMフリーのファーウェイ端末を多く使ってきた身としては美味しいところがドコモ版では取り除かれていたり、ディスプレイの解像度がフォトレタッチ用としては不足に感じたりと、「撮るだけ」の端末になってしまったため短期間で手放す事に。
2. Xperia XZ2 Compact
続いて購入したXperia XZ2 Compact SO-05K。レビューで書いたとおりコンパクト機としてはかなり満足度が高く、今までの歴代Xperiaのコンパクトモデルで不満だった点を多く解消していながら筐体の質感も高い機種。とはいえ、その後あまり使用頻度が高くなく、ほとんどの用途が先述したiPhone XS Max一台に集約されていきました。
というのも理由のひとつとして、AndroidではTwitterのUser Streams APIを使ったリアルタイムにタイムラインをストリーミングできるクライアントが数多く存在していたものの、8月にAPIがシャットダウン。今まで使っていたクライアントの代替手段を模索したりと四苦八苦したものの、結局はTwitter公式アプリのTwitter for iPhone/Androidを中心にTwitterを利用する事に。Androidであるメリットがひとつ消失しました。
また、関連してスマートフォンの使い方が変わったのも理由。以前は取り回しの良いコンパクト機でサクサクとSNSを読み流して投稿したりニュースを拾ったりといった使い方が主でしたが、今はiPhone XS Maxのような大画面で写真をレタッチしたり、動画鑑賞したりといった用途がメインになりつつあります。そのためコンパクト機の画面ではどうしても物理的なサイズが不足してしまい、用途的に画面の大きな機種が中心になりました。今の時代こそ、XperiaはUltraシリーズのラインナップを復活させてくれると個人的に嬉しいですね。
筐体やソフトウェアのデザイン・世界観としては気に入ったXperia XZ2 Compactですが、個人的にコンパクト機は自分の中では役目を終えて一つの節目を迎えた感じがあります。気に入ってはいるので使い続けてはいるものの、次は買わないと思います。
3. GPD Pocket 2
ポケットに入る超小型WindowsマシンGPD Pocket 2をクラウドファンディングで購入。レビューでも書いたとおり初代GPD Pocketと比べてブラッシュアップされてはいるものの、実際に使っているかと言えば全く使っていません。先代のGPD Pocketはキーボード配列がゴチャゴチャしていたものの、余分なキーが多かったお陰でカスタマイズ系のアプリとThinkpad風トラックポイントを組み合わせる事で自分の使いやすいようにかなりカスタマイズできました。ホイールスクロールなど日常のWebブラウジングに必須な機能もカスタマイズで快適に使えていたので、初代の方が稼働率は高かったです。
新型のGPD Pocket 2はmicroSDスロット搭載、より処理性能の高いCPUを搭載と一見使い勝手が向上しているように見えますが、トラックポイントが無くなって光学式のなぞるポインティングデバイスに変更されたり、キーボード配列も最適化されてカスタマイズして機能を割り振る余計なキーが無くなってしまったりと、弄って使う人にとっては比較的詰まらない機種になってしまったという感想です。
また機種自体とは関係無いところでは、自分は昨年から会社員という事もあり手ブラ通勤中のデバイスとして期待をしていた所もあるのですが、会社の規定が厳しくなり私物Windowsデバイスが持ち込めなくなってしまったのも痛い点でした。そのため平日は一切利用できず、休日あえてパソコンを持ち出すのであればフルサイズのキーボードとトラックパッドを搭載したMacBookになってしまうので、結局生活の中に居場所が見つからず出番が無いデバイスになってしまいました。冬こそコートのポケットに入れて使いたかったのですが、残念です。
4. iPhone XR
iPhone XSと同じ処理性能を持ちながら、有機ELではなく液晶のLiquid Retinaディスプレイを搭載したiPhone XR。買ってはみたものの、やはりレビューで書いたとおり3D Touch非対応は痛いので、こちらも短期間で手放しました。
iPhoneではSNSへの投稿は勿論、ブログの編集も行うので、3D Touchでカーソル移動は不可欠。スペースバー長押しでカーソル移動という代替策は入っているものの、ただでさえ長押しのタイムラグがある上テンキーの右端のスペースバー長押しからでは右側に即座に移動できなかったりと、これだけでも使わない理由になるなと思いました。
以前からiPhoneは2台持って1台をサブ機として使っているのですが、気に入ったらiPhone XS Max+iPhone XRの構成にしようと思っていたものの、テキスト編集という基本的なところの使い勝手で不満が出てしまったので昨年のiPhone Xをサブ機として続投する事に。丸角狭額縁LCDのLiquid Retinaの設計的に余裕が無く難しかったのかもしれませんが、iPhone 6s以降ずっと搭載されてきた3D Touchをいきなり去勢してしまうのはホームボタンやイヤホンジャックを取り除く以上に個人的に使い勝手が落ちてしまうと感じたので、後継機は是非3D Touchを兼ね備えたモデルにしてほしいですね。
5. OSMO Pocket
動画クリエイター界隈で爆売れしている超小型ジンバル内蔵カメラOSMO Pocket。先日から投稿しているYahoo! JAPANクリエイターズプログラムの年末の集まりでは持っている人があまりに多くて驚きました。この超小型な筐体サイズで3軸手ブレ補正の効いた動画が撮影できるのはブレイクスルーではあると思い、売れるのも納得なコンセプトです。
ただ一方で、本体やアプリの使い勝手ではGoProに及ばずといった感想。小さなタッチパネルと2つの物理ボタンだけを搭載したミニマルな筐体だからこそこのサイズ感を実現しているのは理解できる一方で、従来のOSMO mobileシリーズに搭載されてきたカメラの方向を操作できるスティックや、ワイヤレス機能が搭載されていないため、今のところ有線接続前提のデバイスです。
市販のmicroUSB→Lightningなどの変換アダプタのような見た目をした小さなアダプタを本体に挿してスマートフォンに直挿ししなければ多くの事ができず、これを収納するケースもまだ未発売。アダプタか蓋を紛失するのも時間の問題な気がします。
と思って見たら既に紛失していました…。単体で買えるんでしょうかね、これ。
公式PVで出ている純正充電ケースや延長ロッドはまだ発売予定日も分からず、既に価格が出ているワイヤレスモジュールやアクセサリーマウント、コントローラーホイールも生産が遅れており手に入るのは1月下旬以降。車にマウントして遠隔操作で被写体追尾ができるのは車載映像撮影に活躍しそうなので大変楽しみではあるものの、自分の想定していた使い方の多くは純正アクセサリ前提といった感じなので、出揃うまではお預けといった感じです。
買って後悔とまでは行かないですが、単体だと思ったほど楽しくはないかな、というデバイスでした。
まとめ
改めて今年買った物を振り返ってみると、自分でも色々と発見があって面白いですね。ガジェットの使い方も年々変わってきており、スペックシート的に魅力を感じても実際に使ってみるとライフスタイルに合わない、といった事が割とあったので2019年は今年の教訓を生かして賢く買い物していきたいところです。ミラーレスカメラを持ち出してRAWで撮影し、iPhoneやiPadで現像、といった遊び方は去年まではやっていなかったので、今後はカメラ方面にも踏み込んでいくかもしれませんね。
今年のベストバイガジェット Advent Calendar 2018、最後のクリスマス担当は企画者本人のあがーさんです。