先日無料WiFiルーターレンタルが始まったNomad SIMで、テザリングができるスマートフォンを検証してみました。
Nomad SIMは月100GBと月300GBの2つのプランが用意されている、ソフトバンク回線が使えるサービス。1日3GBや3日10GB以上使うと速度が低下するなどの制限は一切なく、最低利用期間も無いため契約期間に縛られない使い勝手の良いSIMカードです。
最大300GB/月という大容量、かつ短期間の大量通信による制限を受けないSIMカードのため、テザリング機能を使ってスマホにノートパソコンなどをインターネット接続する用途に便利なNomad SIMですが、ソフトバンクのSIMカードの再販という特性上、一部スマートフォンにおいてテザリング機能が利用できないというデメリットがあります。
今回は手元にあるいくつかの機種で、実際にテザリング接続できるか検証してみました。結論をまとめると以下のとおり。
機種 | テザリングの可否 |
---|---|
SIMフリーのiPhone | × |
SoftBankのAndroid | × |
Y!mobileのAndroid | ○ |
auのAndroid | ○ |
docomoのAndroid | ○ |
SIMフリーのAndroid | ○ |
SIMフリーのiPad | × |
実際に検証した機種は以下のとおりです。
この記事の目次
1. SIMフリーのiPhone
やはり、もっとも気になるのがiPhone。最新のiPhone 11(Apple直販SIMフリーモデル)で検証してみましたが、結論から言うとテザリング(インターネット共有)は利用できませんでした。
設定アプリから「モバイル通信」→「”インターネット共有”を設定」の順にタップすると、ソフトバンクのテザリング情報ページへの案内が表示され、テザリングをオンにする事ができません。
これはiPhoneにソフトバンクのSIMカードを挿入すると、テザリングオプション加入情報の有無が確認され、加入が確認できないと「インターネット共有」機能がオンにできないため。
ソフトバンクのSIMカードの再販という形式上仕方なく発生してしまう問題ですが、大容量かつ高速のSIMカードでiPhoneのテザリングが使えないのはユーザー目線で言えば率直に残念なところ。このあたりのテザリングの仕組みはソフトバンクには解決してもらいたいところです。
2. SoftBankのAndroid
ソフトバンクの端末にソフトバンクの回線という事で、Nomad SIMと組み合わせた際の通信自体の相性は抜群のソフトバンクのAndroidスマートフォン。今回はLGの2画面スマートフォン「G8X ThinQ」にNomad SIMを入れて検証してみました。
こちらもiPhone同様、テザリングを有効化しようとするとテザリングオプションの認証が入り、認証できないためテザリングが不可。ハードウェア的には回線に合っているだけに、テザリングでその快適な通信環境のポテンシャルを引き出せないのは残念なところです。
3. Y!mobileのAndroid
意外と当たりだったのがY!mobileのAndroidスマートフォン。先日紹介したXperia 8 902SOを使って検証してみました。
Y!mobileはソフトバンクのサブブランドで同じ設備を使ったキャリアのため、販売しているスマートフォンはソフトバンク網のバンドに合わせられており、ソフトバンク網を使うNomad SIMと相性良く使う事ができます。
こちら、特に問題なくあっさりとテザリングが利用可能でした。ソフトバンクのスマホのように、テザリングオプションの確認で止まるといった現象は無し。
一点注意点があるとすれば、Y!mobileのスマホをソフトバンクで使う際にはSIMロック解除が必要な点。その点さえ注意すれば、ソフトバンク網に最適化されたLTEバンド構成、テザリング可能と、Nomad SIMで使うにはぴったりです。
4. auのAndroid
SIMロック解除したauのスマートフォンでもNomad SIMは利用可能。今回はauから発売されているソニーの「Xperia 1 SOV40」で検証してみました。
こちらもソフトバンクのスマホと違い認証は発生せず、テザリングは利用可能でした。
5. docomoのAndroid
続いてSIMロック解除したドコモのAndroidスマートフォン。今回は特価になったと紹介したばかりのGalaxy A20 SC-02Mで検証。2016年以前のドコモのAndroidではテザリングをオンにするとAPNがドコモのspモード用になる仕様でしたが、最近の機種ではそういった問題も解決しています。
こちらもデザリングは問題なく利用可能でした。
6. SIMフリーのAndroid
SIMフリーで販売されているスマートフォンでも検証。今回はReno Aで試してみました。
こちらもテザリングは可能でした。基本的にソフトバンクから販売されているものでなければ、Androidスマートフォンはテザリング可能なようです。
6. SIMフリーのiPad
最後にSIMフリーのiPad mini(5世代目)で検証。
こちらもiPhone同様、ソフトバンクのテザリングオプションの確認が通らず、iOSの「インターネット共有」がオンにできませんでした。
ソフトバンクのAndroid、iPhone/iPadはテザリング不可
試した結果としては、今回試した手元の機種の中ではソフトバンクのテザリングオプション確認が入る端末、つまり「ソフトバンクの販売するAndroid」「iPhone」「iPad」の3つではテザリングが利用できないという結論になりました。
デュアルSIMのSIMフリースマホがおすすめ
Nomad SIMはソフトバンク網を使って月々最大300GBまでの高速通信が可能で、テザリングが使えるとノートPCなどでも出先で大容量通信しながら作業ができてとても便利。ソフトバンクで販売されている機種に関してはテザリングが利用できないため、Nomad SIMと組み合わせるのであればソフトバンク以外の他社のSIMロック解除済み、あるいはSIMフリーで販売されているスマートフォンがおすすめ。
特にソフトバンク網の使っている帯域に対応しており、データ用にNomad SIM、通話用に別会社のSIMを使い分けられるデュアルSIMでSIMフリーの機種は相性が良いのでおすすめ。ブログで紹介した中だとOPPO Reno Aがこの条件に当てはまっておりNomad SIMでも快適に使えるのではないかと思います。
最近出てきたソフトバンク再販系の大容量SIMは便利なソフトバンク系端末ではテザリングが出来ない点はトリッキーですが、そこを除けば格安SIMと比べると高速かつ大容量で便利に使えます。
Nomad SIMは今はWiFiルーターの無料レンタルが始まっているため端末の調達は必須ではありませんが、大容量ルーターがスマホ一台にまとめられると荷物がひとつ減って便利なので、Nomad SIM×スマホのテザリングはモバイルワーカーは是非検討してみてはいかがでしょうか。