今まで10年間、Macで使ってきた外付けモニター遍歴を振り返る【2012年〜2022年】

ふとGoogleフォトで昔の写真を振り返っていたら過去に使ってきたPCデスク環境の写真が出てきたので、良い機会だと思い時系列を追って今まで使ってきたMacの外付けモニター環境を遡ってみました。


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今回振り返るのは今まで10年間、作業環境の主軸としてきたMacに接続してきた外付けモニターの環境。ここ数年の物はデスクツアーや個別レビューなどで紹介しているものもありますが、改めて時系列順にどういった試行錯誤を経てきたのか振り返っていきます。

2012年:MacBook Pro単体

Retinaディスプレイを搭載した初のMacである15インチMacBook Proを買ったのがこの年。これよりも前に自作PCも組んでいたので外部モニター自体はあったような気がしますが、確かこの頃は実家の勉強机でMacBook Pro単体で使っていたような気がします。これ単体でも15インチの2880×1800で十分すぎる広大なモニターでした。

2013年:MacBook Pro+23インチFullHD×1

一人暮らしを始めた頃の最古の写真。LGのFLATRON E2341という23インチ・FullHD・TNパネルの外付けモニター1枚を2012年モデルの15インチMacBook Proから出力していました。まだMac用のTwitterクライアント「YoruFukurou」でTwitterがリアルタイムにストリーミングできていた時代。懐かしい。

この頃は普通のデュアルモニターでした。

2014年:MacBook Pro+FullHD×2

大学の友人のバイト先のジャンクショップから安く頂いたNECのパソコンからバラ売りされたモニターを増設していた頃。解像度はFullHDだったはず。この頃からモニターアームを使っており、縦置きでTwitterを表示するなどしていました。マシンはまだ同じ15インチMacBook Pro。

2015年:iMac 5K+FullHD×2

2012年のMacBook Proの性能に限界を感じて、初めてデスクトップのMacを購入したのが2015年の事。iMac内蔵の5Kディスプレイの左右にFullHDのモニターをアームで固定していました。

2016年:iMac 5K+4K+FullHD

新たに初めての4KモニターLG 27UD58を導入し、27インチ4K+27インチ5K+従来のFullHDの23インチ縦置きのトリプルモニター。この辺りから徐々に4K以上の高解像度モニターに統一されていきます。

2017年:環境そのままL字デスクに差し替え

モニター本体はそのまま、L字デスクを導入して3枚のモニターに近付けるように位置を調整していた頃。4KモニターにPS4 Proを繋いで遊んでいた痕跡があります。

2018年:iMac 5K+4K×2

27インチ4KモニターのLG 27UD58を増設して2枚に。これでiMacの5K内蔵モニター含めて3枚全てがHiDPIの高密度なモニターになりました。3枚全て2560×1440の作業領域にスケーリングしてサイズを揃えているためiMac内蔵モニターがくっきり2倍、それ以外の4Kは5K(5120×2880)を4K(3840×2160)に縮小しているため見比べるとややぼやけて感じるものの、画面サイズを統一した効果は抜群。この辺りから同じサイズのモニターを横に3枚並べるという構成に落ち着いていきます。

2019年:UltraFine 5K+4K×2

iMacの下部のAppleロゴ入り極太ベゼルが気になっていたのと、5年使ってそろそろ性能的にもアップグレードしたい頃合いだったので2019年モデルの15インチMacBook Proを最上位構成で購入。クラムシェルモードで外部モニターのみを使う構成にし、デスクツアー記事にもした環境です。

マシンをMacBook Proに変更するにあたってiMacと同等の27インチ・5K解像度のUltraFine 5Kを新たに追加し、27インチ横並びの5K+4K+4Kの構成に。

理想的には5Kで統一したかったものの、このIntelモデルのMacBook Proは最上位GPUを搭載していても左右2本ずつのThunderbolt 3ポートは左右それぞれ2本合計で40Gbpsまでの帯域しかなく、5Kディスプレイは帯域的に左右1本ずつの合計2枚が限界のため、この構成では片面を5K、もう片面を4K×2の接続にしてトリプルモニターを繋いでいます。

また、これ以前に4Kモニターの方も1台買い替えていたので、以下のような構成になっていました。

iMacにあったベゼルも削減されてモニター構成としては満足度が高かったデスクですが、実際運用してみるとIntel時代の15インチMacBook Proだと5K+4K+4Kを出力し続けると排熱が追いつかず、ファンが回り続けていて苦しい状態でした。

2020年:モニターアームを1本に統一

iMacのベゼルがなくなり27インチモニター×3でサイズ感が統一できたため、すっきりとした見栄えを活かすためにAVLTの3画面モニターアームを導入。ミニマルなデザインのデスク「ZERO-XMT」にマウントし、更にMacBook Pro本体をVESAマウント対応のマウントトレーで背面に固定する事で画面一体型PCのようにPC本体を隠すセッティングにしました。

1本の電源ケーブル+LANケーブルをテーブルの側面に這わせる事でケーブルも視界から消したビジュアルに特化したセッティングでしたが、3枚のモニター+PCの重量が1本のポールの根元のクランプに集中する設置には無理があり、机が歪んでしまう結果に。

トリプルモニター構成としては理想的にも見えたセッティングでしたが、タイピングの際にキーボードがカタカタと揺れてしまうほどに歪んでしまったため、この構成は泣く泣く解体する事になりました。

2021年

2021年は試行錯誤の連続で、色々なモニターを試した年だったので分割して紹介していきます。

2021年(1):iMac 5K+UltraFine 5K×2

4K以上のモニターを3枚稼働させると排熱が厳しかったMacBook Proの構成を反省し、再び購入したのが2020年モデルの最後のIntelモデルのiMacの足無しのVESAマウントモデル。左右にUltraFine 5Kモニターを1枚ずつ配置し、5K×3のトリプルモニター構成にしました。

デスクの詳細は2021年前期のデスクツアー記事にて紹介しています。

当初はUltraFine 5Kをすぐに増設するつもりは無かったものの、iMacとUltraFine 5Kの接続には癖があり、iMac 5K+UltraFine 5K+4Kモニターでは接続周りの不具合があったため予算オーバーではあったもののUltraFine 5Kを増設する事に。

iMacに外付けでUltraFine 5Kと4Kモニターを接続した場合、スリープ復帰時に必ず片方しか接続されず、更に再接続の際は4K→5Kの順番で接続しなければ認識されないためスリープ復帰時に2本のモニターの挿し直し毎度必要だった事から、運用に難がありました。それを解決するために追加でUltraFine 5Kを導入したのがこのデスク。

また前回1本のポールのアームでマウントして机を歪めてしまった点を反省して、今回はエルゴトロンLXを3本追加し、それぞれのモニターに1本ずつ使用しています。

この環境はMac単体としては限りなく完成形で、スリープ復帰の問題も発生せず、5K+4K+4Kでファンが頻繁に回っていた以前の15インチMacBook Proと違い5Kモニター3枚を常時出力しているにも関わらず平常時にファンが回る気配も無く、Macオンリーの環境としては完璧とも言える快適さでした。

Macの環境としてはこれでひと段落したものの、iMac+UltraFine 5Kは追加で映像入力が全くできない環境。後にWindowsの自作PCも組み込みたくなったため、更なる試行錯誤をしていくことになります。

2021年(2):49インチウルトラワイドのサブ環境

一度は使ってみたいと思い、セールで12万円ほどで購入した49インチ湾曲ウルトラワイドモニターDell UltraSharp U4919DW。メインマシンのMacの環境とは別に、Windowsパソコンや仕事で使っているMacなども繋いでサブ環境としてまとめたいと思い試してみたモニターです。

27インチ2560×1440のモニターを左右2枚繋げたのと同等の49インチ5120×1440という解像度で、マルチモニター構成にしなくても広大な作業スペースが構築できるのがメリット。また、各マシンから1本ずつ映像入力するだけで済み、2台の入力を左右に並べて表示する事ができるため、Mac+WindowsやWindows+ゲーム機などの複合的な環境では力を発揮するモニターです。

1台にまとめられる、という点は確かに便利でしたが27インチ5K(5120×2880)のHiDPI環境に慣れていた身からするとDPIが半分になってしまうのは厳しく、湾曲率も不足していて全体を見渡すには画面から離れる必要があり細かい作業には向かないという所で自分の用途には合いませんでした。

Windowsで原神をプレイするには大迫力で楽しいモニターでしたが、残念ながら手放す事にしました。

2021年(3):32インチ湾曲4K+32インチ湾曲165Hzのサブ環境

Dellの49インチウルトラワイドモニター環境の反省点を活かして構築したのが、スマート昇降デスクのレビューの際に構築した複合デュアルモニター環境。32インチ湾曲モニターを2枚並べ、片方は4Kの「Dell S3221QS」、もう片方は「MSI Optix G32CQ4」という2560×1440@165Hzのゲーミングモニターという構成。いずれも4〜5万円で購入でき、サイズと性能の割にリーズナブルに入手できました。

同年に組んだWindows自作PCでゲームをプレイする際には165Hzの高フレームレートが使え、Macでデュアルモニターする際には4Kを2560×1440にスケーリングする事で左右の画面サイズを揃えて連結可能。49インチ湾曲では足りなかった湾曲率も2枚の張り合わせ角度で調整できるので、画面との距離も好きに調整可能。

Windows+Macの複合環境としては非常に完成度が高かったものの、この時に実際に運用してみたところ高フレームレートを要求する対人ゲームにそれほどハマる事もなく、またDell S3221QSもVAパネルでIPSパネルの他のモニターと比べて色の表現力がやや劣るという点から、あまり長くは使わない環境になりました。

2021年(4):14インチMacBook Pro+MateView×3枚

最終的に行き着いたのが2021年末に公開したデスクツアーにて紹介した、MateViewを3枚並べた環境。MateViewは4K+という通常の16:9の4K(3840×2160)よりも縦に長い3:2のモニターで、解像度は3840×2560。また、この環境からマシンはAppleシリコンのM1 Maxチップを搭載した14インチMacBook Proになっています。

3:2の縦横比で28.2インチ、サイズ的には27インチ級のスリムな幅で32インチ級の高さを実現している良いとこ取りのモニターで、これを3枚並べることで基本Macで3840×2560×3画面、必要に応じて1〜3枚Windowsに切り替えて使えられる柔軟な環境を作ることができました。MacとWindows、2つのマシンを併用する環境としては今のところは最適解に近いと感じています。

通常の27インチのモニターと比べると縦に長いため、クリエイティブなツール以外にも一度に表示できる長さが長くスクロールの回数が劇的に減ったりと、生産性が大きく上がるのを体感できる環境。HDMI 2.0入力だと50Hzどまりな点、モニターアームが使えない点を除けば非常におすすめできるモニターです。

ちなみに今回から採用したM1 Maxチップの14インチMacBook Proは4K+を3枚という過酷なGPU負荷に対しても平常時はファンの音が全く聞こえない優秀なマシンでした。理想のMacのデスクを求めて15インチMacBook Pro(2012)→27インチiMac(2015)→15インチMacBook Pro(2019)→27インチiMac(2020)+14インチMacBook Pro(2021)と渡り歩きましたが、新しいAppleシリコンのMacBook Proは重荷を物ともせず動くので正直想像以上でした。

オチとしてこの14インチMacBook Proが届いて数ヶ月後によりデスク構築に最適なMac Studioが発売されてしまったというのはあるのですが、正直ポート数も性能も足りていてノートパソコンであるデメリットが無いので、メイン環境をそのまま14インチのノートPCとして持ち出せるMacBook Proには満足しています。

2022年

MateView×3の環境は完成度が高く満足しているので2022年現在も続投中ですが、今年もいくつかの試行錯誤を挟んでいます。

2022年(1):32インチ湾曲4K+左右にMateView

MateViewは3:2のアスペクト比で作業用モニターとしては秀逸なものの、ゲームや動画鑑賞時にはもう少しワイドな画面が欲しいと感じていました。そこで2021年に箱に戻したまま処分していなかった32インチ湾曲4KモニターのDell S3221QSを中央に置く事で、中央モニターのゲーム・動画鑑賞性能をアップさせようと試してみました。

その結果としては「マルチモニターのサイズは揃えるべき?32インチ湾曲+28インチ混在トリプル環境を試す」の記事で書いたとおり失敗。同じMateViewを3枚並べた環境は作業環境として完成されており、ベゼルの太さの違いや色表現力の違い、解像度の違いが気になり作業環境としてはダウングレードに。Apex Legendsのプレイは快適でしたが、ゲームが捗って作業が捗らないデスクになってしまったのでこちらは解体になりました。

2022年(2):MateView×3+細長4K補助モニターの4モニター構成

MateView×3の環境に戻り、近未来SFアニメの世界に影響され導入したのが4枚目の「LCD14HCR-IPSW」という3840×1100の特殊解像度を持った細長い4Kモニター。こちら先日レビュー記事にもしています。

3枚のMateViewのトリプルモニター環境は1枚にはmacOSのドックが表示されるため実際の作業領域が中央の1枚だけ少なくなるという僅かなデメリットがありましたが、今回この補助モニターを追加してドックを下に逃してあげる事で3画面全てをフルの高さで使い切れるという気持ち良さが実現できました。

ドックを非表示にしなくとも3枚の広大なモニターを全てフルスクリーンで使えるのは中々のインパクトがあり、macOSのSplit View機能とも相性が抜群に良く快適に使えています。

また特に心配はしていませんでしたが、4枚目の4Kモニターを繋いでもM1 MaxチップのMacBook Proは快適に動いてくれるのでAppleシリコンのポテンシャルには驚かされるばかり。

2012〜2022年のモニター遍歴を振り返って

改めて振り返ると、我ながら執念を感じる試行錯誤の記録だなと感じます。理想の環境を求めてデスクトップとノートを行ったり来たりしたり、ミニマルな見た目を優先しすぎて机の耐久性に限界が来たりと、本当に色々とやってきました。

10年間の試行錯誤を経て辿り着いた2022年の現時点の環境で使っている「MateView」はモニターアームが使えない事以外は満足度が非常に高く今までで最も愛用しているモニターなので、生産性の高い作業用のモニターを求めている方にはとてもおすすめ。モニターアーム対応は絶対に必須と思っていた自分に、実機を見て一瞬で一目惚れさせ、モニターアームを撤廃してまで導入させるほど魅力を感じさせてくれた名機です。

とは言いつつ、現環境も完璧では無いので今後環境改善できる新製品が出てきたら試行錯誤を続けていくのだろうとは思います。特に2020年のポール1本でPC・3枚のモニターをまとめて一切配線を出さない環境は見た目で言えば歴代で一番気に入っていたので、今の環境のMateViewに代わるVESAマウントのモニターアーム対応の薄型モニターが見つかればAppleシリコン世代のマシンでリベンジしたいところ。

次の10年はどんなデスク環境になっていくのか、自分でも楽しみです。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。