MagSafe対応iPhone、Apple Watch、AirPodsの3種類のApple製品をまとめて充電できるESRの3in1充電器をレビュー用にメーカーから提供していただいたので紹介していきます。
ESRはApple製品関連を中心とした様々なアクセサリをラインナップしているメーカー。当ブログでも以前カメラ部分にスタンド機構を組み込んだiPhoneケース、ダッシュボードに沿ってiPhoneを配置&充電できるMagSafe車載ホルダー、Appleの「探す」に対応したMagSafeスタンドなどユニークな製品を紹介しています。
今回ご提供いただいたESR Qi2 3 in 1ワイヤレス充電器はiPhone・Apple Watch・AirPodsのApple製品三点セットをまとめてワイヤレス充電できるスタンドで、ESR独自の機能としてiPhoneを冷却しながら充電効率を上げるCryoBoost、着脱して持ち出せるApple Watch充電器、AirPodsのマグネット位置合わせなど、使い勝手を向上させる要素が詰め込まれた製品となっています。
パッケージ内容
パッケージ上部にはApple Watch用の充電器が独立したパッケージとして同梱されており、こちらの商品は個別にAmazonで3,799円で販売されているもの。3in1充電器にUSB type C端子で接続する形で装着して使えるほか、持ち運んでApple Watch単独の充電に使う事も可能なパーツとなっています。
パッケージに含まれているものがこちら。最初に紹介したApple Watch充電器部分に加え、1ポート最大30WのUSB PD充電器、USB type Cケーブル、3in1充電器本体が含まれています。
3in1充電器の外観
こちらが充電器本体。上部はMagSafe/Qi2のマグネット位置合わせ&ワイヤレス充電器となっており、最大15Wでのワイヤレス充電が可能。iPhone 12以降のMagSafe搭載モデル(+MagSafe対応ケース)であればiPhoneをそのまま磁力で装着して充電する事ができます。
また「CryoBoost」と呼ばれるESR独自の冷却機構を搭載しており、充電時には空冷のファンがiPhoneを冷却しながら充電してくれるため、発熱による充電速度の低下やバッテリー寿命の消耗を防いでくれるのが特徴。
台座背面にはコンセント側に繋ぐUSB type C端子が配置されています。首の部分は金属製になっており、質感高め。
台座上にはAirPodsが充電できるQiの充電台が設けられており、対応モデルであればマグネットによる位置合わせも可能。
実際AirPods Pro(第2世代)で使ってみた印象としてはこのマグネットによる位置合わせの使い勝手が良く、一般的なワイヤレス充電器で充電の都度発生する微妙な位置合わせの手間が省けるため使用感が非常に快適。
iPhone+Apple Watch+AirPodsをまとめて充電できるオールインワンのワイヤレス充電器は以前紹介したBelkinの製品をはじめ多くのメーカーから発売されていますが、AirPodsの充電部分は単なるQi規格のワイヤレス充電器になっているものが多く、この部分の使い勝手を作り込んでいる点でESRは一歩リードしていると感じました。
Apple Watchの充電部分は着脱&持ち運びが可能となっており、iPhoneの充電機構の裏側にUSB type Cの接続端子が設けられています。
Apple Watch充電器はUSB端子部分にキャップが設けられており、このキャップは外している間は逆側にマグネットで装着しておける機構。
こちらがApple Watch充電器を装着したところ。
iPhone充電部分は充電時にCryoBoost空冷ファンが周り、イルミネーションが点灯します。
実際の使用感
実際に日常的に本製品を使っていて感じたのは、やはりiPhoneとAirPodsの充電の快適性は抜群。どちらも磁力でストレスフリーに位置合わせされるため意図せずズレていて充電できていないというワイヤレス充電のトラブルとは無縁で、着脱ともに快適。
一方のApple Watch充電部分は充電器を取り外して持ち運べるというメリットはある一方で、据え置き型の充電器としての使い心地はまずまず。省スペースにiPhone裏側に配置されているため、横並びのBelkinの充電器と比べるとやや置きにくく感じます。
その分3in1系の充電器としては全体の幅がスリムになっているため、この辺りはApple Watch部分の優先度によって評価が分かれるところ。バンドが輪っかになったApple純正のソロループ系バンドも装着できる形状ではあるものの、後ろから取り付ける手間があるためソロループ系バンドのユーザーは注意ポイント。
目玉機能のCryoBoostの冷却性能は期待通り機能しており、従来製品では充電直後に手に取るとiPhoneが熱を持っているようなケースでも特に熱を感じる事はありませんでした。
iPhoneのようなデバイスは日常的に熱がこもった状態で充電し続けるのはバッテリー性能の低下を早める可能性があるため、CryoBoost搭載の本製品をメインの充電器として使う事でiPhoneのバッテリー寿命の延命が期待できそうです。
実際1年間使ったiPhone 15は発売から1年間MagSafe充電中心に使った事でバッテリー性能が90%まで低下しましたが、今年新しく購入したiPhone 16 Pro Maxは購入時から自宅の充電をESRのCryoBoost充電を中心に運用しており、ここから半年〜1年間この運用を続けてどの程度バッテリーの延命に効果があるものか検証していこうと思っています。CryoBoost搭載製品は昨年頃から出回り始め延命効果のユーザー投稿も見かけるようになってきたので、実際の効果にも期待ができそうです。
iPhoneのバッテリーの最大容量は買取の査定などでもチェックされるポイントのため、リセールを前提にiPhoneを使うのであればMagSafe充電の利便性と査定額の最大化を両立できるCryoBoostは心強い機能です。
メインで使う充電環境として十分な価値を感じる一台
今回ESRの3in1ワイヤレス充電器を使ってみた感想としては、これを日頃のApple製品の充電環境の中心にして使う価値は十分に感じられる製品です。
iPhone充電部分はMagSafe/Qi2の15Wの高速なワイヤレス充電を最大限引き出せるCryoBoost機能を搭載しており、熱を逃しながら充電する事で充電速度の低下を抑えられるだけでなく、中長期的なiPhoneのバッテリー性能の低下も予防できるのは他の充電器と比べた大きなメリット。
一方で空冷のファンが回る音が微量ながら充電中発生するため就寝時に枕元で充電するには不向きではあるものの、実際に生活に取り入れてみるとバッテリー劣化対策というメリットもあるお陰で積極的にiPhoneの充電場所を枕元から離す理由になり、就寝・起床の質を上げるデジタルデトックスになってくれると感じました。このような分かりやすいメリットが無ければiPhoneを寝床に持ち込んでしまいがちなので、予想外に大きな効果がありました。とは言いつつも起床時のアラームにiPhone使っている方も多いかと思うので、ファンの音を抑えられるモードもあれば尚良かったかもしれません。
AirPods充電部分はマグネット+位置合わせの凹みで確実に充電できるのが使いやすく、そのまま置けば磁力で確実に設置されるのは勿論のこと、磁力が弱まるレザーケースを付けた状態でも枠のガイドで縦横の位置が合わせやすく、確実に充電できる工夫が組み合わせられる事で扱いやすくなっている部分で気に入りました。
Apple Watch充電部分は着脱式で持ち出せるためトラベル用の充電器を別持ちしなくても良いという点は競合製品に対する強みではある一方で、急速充電にも対応せず、先述したとおり背面に配置されている事から据え置きの充電器としての使い勝手はそれなり。不便と言うほどの不便ではなく使えはするものの、ベストなポジションではないと感じました。
iOSもiPhone 15以降は充電上限を設定する事でバッテリー性能の低下を抑制する機能がソフトウェア側で搭載されましたが、ESRのCryoBoost搭載充電器の空冷機構を使ってハードウェア的にもバッテリーに配慮した運用をすればより長いバッテリー寿命が期待できます。
今回紹介したESRの3in1充電器の価格は12,999円。価格帯としては競合のAnkerの3in1充電器とほぼ同額で、Anker製と比べるとApple Watchの急速充電ができない代わりにApple Watch充電器が着脱可能、CryoBoostによる冷却を搭載しているといった点が異なるポイント。
また同社は熱の影響をより受けやすい車移動中のシチュエーションで使えるCyroBoost搭載のMagSafe車載充電器も展開しているので、車でiPhoneを車載・充電する機会の多い方は組み合わせる事でより幅広い範囲でiPhoneを熱のダメージから保護する事ができるので、併せて検討する価値がありそうです。
過去に使ってきた数台のiPhoneの状態を見ると1年のヘビーユースで約90%、2年で約80%までのバッテリー性能の低下が見られる一方で、バッテリー性能が80%未満まで低下すると買取価格が20%〜40%減額となる買取店が多い現状を考えると、2年以上使ってから乗り換えたい方であればESRのCyroBoost冷却は80%への到達を阻止できるだけでも元が取れるのではないでしょうか。