Amazonの2023年の新しいエントリーモデルのAlexa搭載スマートスピーカー「Echo Pop」を実際に購入して使ってみたので、使用感をレビューしていきます。
この記事の目次
2016年以来の新規エントリーモデル「Echo Pop」
Amazonの音声アシスタント「Alexa」を搭載したスマートスピーカー「Echo」シリーズですが、その入門モデルのポジションは長らく2016年登場の「Echo Dot」が担ってきました。
2016年の第1〜2世代の初期モデルは音質が悪く、実質的にAlexa専用スピーカーだと感じる製品でしたが、2018年登場の第3世代では質感・音質が大きく向上し、2020年登場の第4世代では卓上に間接照明を照射するインテリア性のある球体デザインになり、2023年登場の第5世代では従来機のモーション検知に加えて内蔵温度センサーまで搭載してスマートホーム機器としてのポテンシャルが更に引き上げられています。
そうして駆け上がるように高性能化していき値上げしていったEcho Dotに代わる新たなエントリーモデルとして2023年に設定されたのが、今回レビューするEcho Pop。白黒系のカラー以外にもこの記事で取り上げる「ラベンダー」、そして青緑系の「ティールグリーン」をラインナップしたカジュアルな半球型のスピーカーとなっており、価格も現行の第5世代Echo Dotよりも1,500円安い5,980円に設定されています。
価格が安い分モーション検知機能・内蔵温度センサーといったセンサー類が省かれているほか、Echo Dotには設定されているLED時計付きの「with clock」モデルもラインナップされていませんが、スピーカーサイズとしては第5世代Echo Dotの1.73インチよりも大きい1.95インチの物を採用しつつも一回りコンパクトな筐体に収めています。
Echo PopとEcho Dotの比較表
Echo DotとEcho Popの主な違いの比較は以下のとおり。
Echo Pop |
第5世代Echo Dot |
|
---|---|---|
価格 | 5,980円 | 7,480円 |
サイズ | 99x83x91mm | 100x100x89mm |
重量 | 196g | 304g |
スピーカーサイズ | 1.95インチ | 1.73インチ |
モーション検知 | × | ⚪︎ |
温度センサー | × | ⚪︎ |
アクションボタン | × | ⚪︎ |
球体のEcho Dotと比べると半球になった分若干コンパクトな奥行きの場所でも設置可能になったほか、重量は304g→196gと圧倒的に軽量化。モーション検知と温度センサーは省かれています。
3.5mmの音声出力端子はEcho Popでは非搭載ですが、Echo Dotも第4世代までは搭載していたものの現行の第5世代で省略されたので、現行モデル同士で比較すると差は無し。ただ第4世代以前のEcho Dotで外部スピーカーを繋いで使っていた方であればEcho Popは同様の使い方には対応しないので注意が必要です。
Echo Popのパッケージ・外観
まず、Echo Popのパッケージを開封して外観を見ていきます。
Echo Popのミニマルなパッケージ
こちらがEcho Popのパッケージ。Echoシリーズを象徴する水色のAlexaカラーの箱です。
内側はEcho Pop本体サイズぴったりとなっており、Alexaアプリのインストールを行なってから電源を繋ぐようスタートアップガイドが箱の内側に直接プリントされています。この辺りは非常にAmazonらしい効率化が感じられます。
底にはACアダプタと説明書が入っており、パッケージの中身は以上。
Echo Popの外観
Echo Popの特徴は従来のEchoとはテイストの異なる半球型の筐体。正面から見ると円形に見えます。
背面から見るとボタン類が揃っており、ボリューム操作とミュートボタンの3つのボタンを搭載。Echo Dotに搭載されているアクションボタンはEcho Popでは省略されているため、Alexaを利用する際は物理ボタンではなく音声のウェイクワードを発声する必要があります。
また、この上部の部分はアラームのスムーズができるタッチセンサーとしても機能します。
背面は第4世代Echo Dotまで搭載されてきた3.5mmジャックは搭載せず、電源端子のみ。
Amazonフラストレーションフリーセットアップで即利用開始が可能
Echo PopをAmazonで購入する際に「デバイスをAmazonアカウントにリンクする」にチェックを入れて注文するとAmazonフラストレーションフリーセットアップが利用でき、あらかじめAmazonアカウントに紐付けられた状態でEcho Popが届きます。
今回はチェックを入れて注文したので、電源を入れてると自動でセットアップが完了し「Echoのセットアップが終わりました」とAlexaが喋ってあっさり完了。ログイン済みのAlexaアプリにはEcho Popが出荷時点で追加されており、スムーズに利用開始する事ができました。
インジケーターは前方からも可視性良好
今回のEcho Popの半球スタイルは上部のエッジにインジケーターが搭載されていますが、これは見やすく感じました。スタイリッシュさで言えば第4世代Echo DotからDotシリーズ以上に採用された間接照明スタイルの方が見栄えは綺麗なものの、Echo Popの物は上部に配置されているので分かりやすさは抜群。
Echo Dotは他の物と隣接して置いてしまうとインジケーターが角度によっては見にくい事がたまにありましたが、Echo Popにはそういった事は無さそうです。
Echo Popの音質
Echo PopはBluetoothスピーカーとして利用できるほかAmazon Music UnlimitedやApple Music、Spotifyなどの音楽ストリーミングサービスと連携が可能で、ストリーミングサービス利用時は2台でステレオペアリングすることでワイドなステレオ感を楽しむことも可能。Amazonの対応表によるとEcho PopはEcho Pop同士のペアが設定可能な他、終売したEcho Subがあればウーファーを足す事も可能となっています。
今回は単体で音楽を再生してみましたが、以前レビューした第4世代Echo Dotと比べると相対的に低音側の音域がやや狭く感じた一方で、音の解像感はこちらの方がシャープに感じました。この辺りは再生する曲のジャンルによっての得意・不得意や好みが分かれる所かとは思います。
重量が1.5倍以上あり筐体も大きいEcho Dotと比べて低音が劣るのは想定内ではありましたが、実際エントリーモデルとして想像していた以上の音質であるのが感じられ、満足度は高く感じられる水準です。スマートフォンやノートパソコンなどのモバイルデバイスの内蔵スピーカーと比べると明らかに迫力のある音なので、カジュアルな音楽再生端末としては十分なレベルに達していると感じます。
スマートホームの操作用としては十分
Echo PopはAlexaが利用可能なので、Alexaアプリに各種スマートホームデバイスを登録しておけばEcho Popから「アレクサ、シーリングライトを消して」のように声で操作が可能。以前レビューしたSwitchBotシーリングライトや、SwitchBotハブ2経由でのエアコンやテレビなど赤外線リモコンを使った家電などが声だけで操作できるようになるのは他のEchoシリーズと同様。
この点に関しては他のEchoデバイスに見劣りする事は無く、快適に音声操作用の入力デバイスとして活用できます。
見た目で買っても音質で後悔しないEcho
Echo Dotよりも更に安いエントリーモデルが登場したという事で実際の使い心地はどの程度の物なのかと気になっていましたが、Echo Dotに年々追加されていったものの多くの人は使わないであろうセンサー類を省略しつつも、多くの人のEchoシリーズの入門機として過不足無い価格と性能のバランスに仕上がっていると感じました。
第3世代Echo Dotの頃と比べると同じエントリーモデルでも明らかに音質が向上しており、見た目に魅力を感じて購入した方が音楽を再生して音質に落胆するというケースはかなり減ったのではないかと思う音になっています。3.5mmの外部出力が撤廃されたのも、内蔵スピーカーが多くの人を満足させられるようになった裏返しとも言えるでしょう。
今回Amazonプライムデーで2台買うか悩んで1台だけ購入してみましたが、実際使ってみた感想としてはセール中であれば2台買ってステレオペアを組んでも良さそうな内容でした。この見た目で左右に設置できれば中々ユニークなデスクが作れそうです。
ただステレオペアは残念ながら音楽サブスク用の機能で、Bluetooth接続には非対応。完全ワイヤレスイヤホンのように2台1セットでPC用のBluetoothオーディオとして繋がれば文句無しなのですが、そういった使い方はまだ出来ないようです。もしアップデートで実現するような事があれば、我が家ももう一台買い足しても良いかもしれません。