紫のiPhone 12 miniレビュー。2021年最も買って良かった、本当にお気に入りの一台

気付けば早いもので、2021年もそろそろ終わり。今年も様々なガジェットを買ってきましたが、やっぱり今年のお気に入りは毎日触っているiPhone 12 miniでした。


年末恒例のガジェットブログ界の催しとして開催されている今年のベストバイガジェット Advent Calendar。当ブログも以前特盛構成の15インチMacBook Proをベストバイに選んだりしましたが、今年ベストバイだなと思ったのは全く逆のミニマルな一台

春先に購入して写真でも紹介した、パープルのiPhone 12 miniです。

コンパクト機を買っては、大型機に戻っていた過去

コンパクトフラッグシップ系のスマートフォンは「持ち運びやすい」「処理性能が高い」と実際に買ってみるまでは夢を見がちですが、いざ使ってみると「電池がすぐ切れてしまう」「画面が小さすぎる」と現実に直面しがち。

実際私も過去に初代iPhone SEを買って気に入ったものの結局iPhone 7 Plusに戻ったり、Androidも過去にかなり気に入ったXperia XZ2 Compactをはじめとする歴代のXperiaのコンパクトモデルを数多く買ったものの最終的にXperia 1 IIIに行きついたりと、コンパクトフラッグシップの夢を見ては夢から覚めてきた人間です。

そろそろ小型機にも懲りただろう、と思っていた頃に登場したのがiPhone 12 mini。

iPhone 12、iPhone 12 Proと同様にA14 Bionicチップを搭載し、カメラは広角・超広角のデュアル構成。小型機というよりかは廉価版という毛色が強かった2020年モデルのiPhone SEと比べるとしっかりと最新のスペックで、3Dのゲームもしっかり動かせるスペックで、カメラも望遠レンズが無い事を除けば上位モデルに引けを取らないものを搭載。

なんだかんだ毎年iPhoneの大画面モデルをメインで使い、2020年も例に漏れずiPhone 12 Pro Maxをメインとして使い始めた年でしたが、気付けばiPhone 12 miniに落ち着いて2021年を終えようとしている自分が居ます。

しかも、今年は新型のiPhone 13 Pro Maxを買ったのにも関わらず、iPhone 12 miniをメインとして続投。今まで10年以上最新のiPhoneに毎年乗り換え続けてきた自分が、初めて型落ちのiPhoneに愛着を持って使い続ける年となりました。

ここまでiPhone 12 miniに惚れ込んでしまった経緯を、今回の記事では語っていこうと思います。

半周遅れで投入された新色の「パープル」を2色目として購入

iPhone 12・iPhone 12 miniのパープルはiPhone 12シリーズ登場時からあった色ではなく、iPhone 12シリーズ発売から半年が経過した2021年4月に投入された新色。Appleはこれを「心ときめくパープル」としてプロモーションしました。

かくいう自分もこの色にはときめいてしまい、発売日からサブ機として持っていたグリーンのiPhone 12 miniを売却し、パープルに乗り換え。半年間メイン機として使ったiPhone 12 Pro MaxからLINEなどのアカウントも全てこれに移し、久々にメインスマホをコンパクト機にすることを決意します。

そのためこの記事を書いている段階ではiPhone 12 mini歴は1年強ですが、2台目のパープルを使っている期間・メインとして使っている期間は半年強。機種としては1年使ってみたレビューでもあり、モノとしては半年使ってみたレビューでもあるという感じです。

「Pro」「Max」「13 mini」に移らなかった理由

過去10年毎年新型のiPhoneに買い替えており、最新モデルのiPhone 13 Pro Maxも買ってレビューしているにも関わらず、現在iPhone 12 miniは毎日欠かさず持ち歩く唯一のスマホとして愛用し続けています。

望遠カメラが欲しければ「iPhone 12 Pro」、大画面が欲しければ「iPhone 12 Pro Max」、バッテリー持ちが欲しければ新型の「iPhone 13 mini」に乗り換える事もできたのですが、実際はそうしなかった。その理由を一つずつ解説していきます。

望遠レンズは実際iPhoneには「必要」では無かった

毎年iPhoneのフラッグシップモデルをメインとして使い、写真も沢山撮り、当たり前のように望遠レンズを日常的に使っている身としてはiPhone 12 miniをメインに据える時に一番の懸念点だったのが望遠レンズの欠如

少し遠くにある被写体を中望遠で切り抜けるのは「スマホ感の薄い」印象的な写真が撮れるのは勿論のこと、日常に突如現れる少し遠くのハプニングのシャッターチャンスを逃さず「2x」ボタンを押してサクッと撮影できるスマホ×望遠ならではのスピード感も気に入っていました。

ただ実際に望遠レンズの無いiPhone 12 miniだけを使ってみると、TwitterやInstagramストーリーズに「出来事」として共有する程度であればほとんどの場合はピンチズームで事足りることに気付きます。iPhoneのメインカメラのデジタルズームは思ったよりずっと綺麗で、スマホで共有してスマホの画面で見る分には全く問題がありませんでした。

そして画質の重要性が上がる「作品としてのiPhoneの望遠レンズの写真」に関しては、自分は実際のところあまり期待していなかった事にも気付きます。今年レビューしたXperia 1 IIIの70mm望遠レンズは今までのスマホカメラ史上最も気に入ったレンズで、スマホである事を抜きに「カメラとして好き」だと思える写真を沢山生み出してくれましたが、今までiPhoneの望遠レンズで撮った写真にはそういった愛着を感じられませんでした。

つまりSNS投稿はピンチズームで十分で、作品としての中望遠の写真を撮りたい場合もiPhoneの望遠レンズはそもそも望んだ写真を撮ってくれないため必要無かったというのが結論。スマホの「2倍」「3倍」の中望遠は画角としては好きですが、先述したXperia 1 IIIなど他のAndroidを使ったり、シャッターチャンスに備えて鞄の中に常備しているコンデジのRX100 M5Aを使ったり、しっかりした荷物を持っていく旅行の場合はミラーレスのα7IIIやα6400を使ったりするのが自分の使い方にはしっくりきました。

処理性能ではなく「画面サイズ」「タイムリミット」というデトックスの心地よさ

小型スマートフォンの多くは本体の筐体の小ささだけでなくハードウェアの性能も大型モデルと比べて劣る部分が多いですが、iPhone 12 miniに関しては大きなデメリットと言えば先述したカメラ以外はほぼ「画面サイズ」と電池持ちの短さによる「タイムリミット」のみ。

「原神」などの最新の本格的な3Dのゲームを動かすスペックは有しているものの、画面サイズが小さいため迫力は控えめで、電池持ちも長くないため長時間プレイにも不向き

そのため結果としてiPhoneで長時間ゲームを遊んだり、長時間YouTubeをだらだらと遊んだり見たりする時間が激減。一方で性能は十分なので「サクッとゲームにログインしてデイリーミッションをこなしたい」といった事は可能で、性能不足によるストレスはほぼほぼ皆無。このバランス感が程よいデトックスに繋がりました。

やろうと思えば大体の事はできる」「けどがっつりはできない」という立ち位置は少ないストレスで時間の浪費の抑制ができ、iPhone 12 Pro Maxの潤沢な電池持ちと大画面に沢山時間を奪われていた自分には、この取捨選択で限られたタイムリミットの中で厳選してフル性能を使っていく感覚が新鮮な魅力に感じたのでした。

電池持ちで負けるiPhone 13 miniと比べても「軽さ」の武器がある

2021年9月にはiPhone 12 miniの弱点であった電池持ちが大幅に改善されたiPhone 13 miniが発売されましたが、乗り換えは見送りました。


iPhone 12 mini

iPhone 13 mini
重量 133g 140g
厚さ 7.4mm 7.65mm

決め手となったのは実際に手に持ってみた感触。iPhone 12 miniはiPhone 13 miniと比べると7gも軽く、更に厚みも抑えられています。この差は実際に触ってみるまで分かりませんでしたが、このような小型端末の7gは総重量の5%にもなるため、触ってみると個人的にかなり大きな差に感じられました。

iPhone 12 miniはケース無しで使う最小限のサイズ・重量に惹かれて使ってきたので、やはりこの尖った強みがぼかされてしまうのは電池持ちと引き換えだとしても受け入れられなかった部分。この軽快さは変え難い魅力でした。

そもそも仕事は在宅、外出も車というライフスタイルに落ち着いてからは常時MagSafe充電環境があり、公共交通機関で移動しながらバッテリー駆動させる機会が無くなったという背景から電池持ちに惹かれなかったという点も付け加えておきます。


まとめると、実際に試すと望遠レンズは不要に感じ、高い処理性能×限られた電池の取捨選択は用途を厳選する良いデジタルデトックスになり、また後継機の13 miniよりも薄くて軽い筐体は型落ちになってもなお魅力的な強みである事から、10年以上毎年新型に乗り換えてきた身でも今年初めて新型に乗り換えず使い続けるという結論に至ったというわけです。

お気に入り機能はminiと相性抜群の「MagSafe」

今までのiPhoneとiPhone 12 miniで使い勝手が大きく変わったのは、やはりMagSafeの存在。背面にマグネットでアクセサリを装着でき、ワイヤレス充電器が確実に最高効率の位置に一発で固定される、というのは想像していたより遥かに便利で気持ち良い機能でした。

iPhone 12 miniは全てのMagSafe対応iPhoneの中で最も軽く小さいiPhoneのため、使い心地も抜群。iPhone 12 miniジャストサイズの純正バッテリーパックが使えたり、車載ホルダーに付けても重量が無いため最も安定感があったりと、3サイズ使った中でMagSafeの魅力を最も感じられるモデルでした。

MagSafeは車載充電器が最高の用途

MagSafeアクセサリの中で一番気に入っているジャンルが車載ホルダー。かざすだけで充電開始・車載が完了し、そのままBluetoothでオーディオ接続も完了するので、完全に片手の動作で全てが完結するのが最高に快適。

また、配線を整えれば車内にケーブルを垂らす事なくスマホ連携ができます。自宅のデスクだけでなく車でも極力ケーブルを見せないようこだわりたかったため、使い勝手も見た目も両立できるMagSafe車載ホルダーは個人的にかなりのヒットアイテムでした。

卓上の充電も「きっちり」定位置に置けて気持ち良い

自宅での充電環境でもMagSafeは活躍。Apple純正のMagSafe充電器をはめ込むStouchiのMagSafeスタンドは今でも愛用している充電台で、iPhoneをつけた状態でも外した状態でも見た目が整っており、iPhoneを置く時にはバシっとスイートスポットにぴたりと乗ってくれる優れもの。

従来のQiのワイヤレス充電と比べると外れていて充電ができていないというリスクが低いだけでなく、シンプルに使っていて心地良いので充電台に置く習慣が生まれるのもメリットです。

MagSafeバッテリーパックは新感覚の延命ツール

基本的にiPhone 12 mini本体の内蔵バッテリーだけで事足りる生活をしているものの、たまに丸一日出歩いたり、家の中で持ち運びながら使いたい日もあります。そういった場合にしっくりはまるのがApple純正のMagSafeバッテリーパック

対応機種の中の最小サイズのiPhone 12 miniからはみ出さないようジャストサイズに作られており、装着したまま快適に使うことも可能。電池持ちがもうちょっとだけ欲しかったり、充電ケーブルのある場所に縛られないで充電したまま使いたかったりといった「もうちょっと」を叶えてくれるアイテムです。

汎用モバイルバッテリーとして見ると容量は少ないですが、iPhone 12 miniでミニマルな使い方をしている延長線上で使うにはぴったりでした。


このように、iPhone 12 miniはiPhone 12/13シリーズの中で比べても様々なMagSafeアクセサリと一緒に使った際の使い心地が抜群に良く、iPhone 11シリーズ以前の時代と比べると劇的に使用感が向上したと感じた部分です。

飽きのこない「パープル」の表情の豊かさ

春先の色味の紹介レビューでも語りましたがiPhone 12 miniのパープルは紫系の中では青系に寄ったカラー。クールな印象に仕上がっており、公式サイトの画像の後に店舗などで実物を見て「ちょっと思っていたのと違う」と感じた人も多いかもしれません。

個人的にも紫の中で好きな色は暖色系のラベンダーカラーだったので、この色は第一印象の時点では「違うな」と思ったのが正直なところ。

ただ使っていく中で、他のスマートフォンの色と比べるとこのパープルは環境光によって印象が大きく変わってくるカラーリングだと感じて徐々に愛着を感じるようになりました。特に暖色系の照明下で見るパープルのiPhone 12 miniは写真のようなラベンダーカラーで、かなり優しい印象になります。

常日頃持ち歩く一台で、ここまで表情を変えてくれるのは退屈しなくて気に入っています。持って色々な所に連れて行きたくなる、そんなパープルです。半年使って、改めて良い色だと感じてます。

ライフスタイルの変化に噛み合った、ちょうどいい一台

iPhone 12 miniを使っていて思ったのは、今のライフスタイルにはぴったりとシンデレラフィットする一台である反面、少し前の生活であれば過去の数多くの小型機と同様にここまで定着はしなかっただろうなということ。

2020年に仕事がフルリモートになり、都内から海沿いの街に移住し、通勤から解放された今の生活でこそiPhone 12 miniはポケットにコンパクトに収まり、要求する全ての用途を難なくこなす処理性能を持ち、外出の際はサクッとMagSafeで車載できて電池切れとも無縁の生活をしています。しかし、これが電車通勤のままであれば恐らく不満に感じていたでしょう。

かつての電車通勤時代を思い返せば、何とか隙間時間を使ってLightroomでフォトレタッチをしたり、大画面で動画や電子書籍をチェックしたり、更にそれらを移動中にヘビーにこなしても一日乗り切ってくれる大容量バッテリーを持つ。そんなiPhoneを求めていたので「Max」しか選択肢は無かったと思います。

そこから一転して2021年4月。新たな生活スタイルに落ち着いて「mini」の受け入れ態勢が整ったところで、10年前に世を去った亡きスティーブ・ジョブズが好きだった色とされる、かつ初代iPhoneの開発コードネームの名前にもされていたという「Purple」のiPhoneが、僕の30回目の誕生日その日に発表されたのです。最高の誕生日プレゼントだと思いました。

数々の節目が重なり合ったこのタイミングで、一番好きなメーカーの、一番好きなサイズの、一番好きな色の、一番毎日使う製品の登場。ここまでぴったりと新たなライフスタイルに寄り添ってくれる製品と巡り会えたのは、本当に幸運だと思いました。

2021年ベストバイという言葉に相応しい、深い思い入れのある一台。最高ではなく最適。たまにはこういうベストバイも良いですね。以上、今年最も愛用しているパープルのiPhone 12 miniの話でした。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。