10月1日のHTC Desireシリーズのイベントに参加してからモニター機としてHTC Desire EYEを使っていますが、そろそろ返却期限なのでまとめを。
HTC Desire EYEはHTC Desire 626と同時にHTCが満を持して今月日本に投入したSIMフリースマートフォン。3.2万円で販売されているDesire 626と比較すると5万円台なだけあってFullHDディスプレイ、ステレオBoomsoundスピーカー、1300万画素のインカメラなど、キャリアから発売されているフラッグシップ機に迫る性能となっています。
進化し続けるソフトウェア
昨年の夏に中国で購入したHTC One E8は価格帯としてHTC Desire EYEと近い製品で、ちょうど良い比較対象でした。HTC One E8にはAndroid 5.0.2 Lollipopへのアップデートもしっかり配信されていますが、HTC Desire EYEはAndroid 5.1とHTC Sense 7.0を搭載。HTC One E8に搭載されていたHTC Sense 6.0のUIに更にブラッシュアップがかかっており、中でもナビゲーションキーのカスタマイズが非常に便利。下記記事にて紹介していますが、片手操作する際は特に重宝するかと思うのでぜひチェックしておきたい機能です。各社独自のカスタマイズが光るAndroidですが、HTCのHTC Senseは着実に使いやすく進化していると感じました。
カメラ性能も良好
HTC Desire EYEはメインカメラ・インカメラ共に1300万画素のものを搭載。SIMフリー市場のいわゆる「格安スマホ」の安かろう悪かろうなカメラではなく、価格がやや高めなだけあってしっかりキャリア端末級の写真が撮れる機種だと感じました。実際に撮影した写真は以下の記事で紹介していますが、日常的にSNSにアップするご飯の写真や風景、自撮りなど幅広くきっちり使うに不満の無い性能です。
外装もユニークでスポーティ
開封&セットアップ記事で外観の写真を紹介していますが、水色と紺色のツートンデザインは非常にユニークで、色の組み合わせとしては某アイドルのジャージにそっくりと話題になったスポーティな色です。かといって安っぽいという事もなく、普段使っていて評判も良好でした。側面と背面のパーツはマットな質感となっている一方で、間の紺色のパーツは光沢感があり、このコントラストにさりげない高級感が演出されています。ガラスや金属に頼らない高級感の演出に関しては一際巧さが際立っています。
SIMフリースマートフォン市場の他社モデルを見てみると以前レビューしたZenFone 2はヘアライン風のテクスチャを印刷しただけの見せかけのためプレス画像の見栄えは良くても実際に持った時にはツルツルプラスチックで大変がっかりしたものですが、HTC Desire EYEは手に持ってみて非常に満足感の高い質感でした。
ホームからニュースを一望できるBlinkfeed
ホーム画面の1枚として設定しておけるHTC Blinkfeedですが、TwitterやFacebook、Tumblr、その他ニュースサイトやSNSなどを統合して眺めることができます。普段忙しくてTwitterやFacebookを開いている時間が無くてもちょっとした隙間時間にホーム画面から覗けて便利。項目をタップするとそれぞれの公式アプリで開いてくれるので、リツイートやシェア、リブログなども快適に行えます。ホーム画面に組み込まれた統括フィードは中々便利なのでHTC端末を使っているのであればぜひ活用したい機能です。
サポートも充実
プリインストールされている「ヘルプ」アプリからは端末のハードウェアの自己診断や問題解決のQ&Aが利用できるほか、年中無休10〜19時の間で利用できるコールセンターへの電話とチャットでのサポートも内蔵。SIMフリーのデバイスオンリーで販売されている機種としてはこうした手厚いサポート体制は嬉しいところです。
注意点
HTC Desire EYEはMVNOの格安SIMと組み合わせる事を前提に発売されている機種ですが、SMS機能のない格安SIMだと電波表示のアンテナピクトが表示されない問題があります。この点は非常に残念。HTC Desire EYEで使うSIMカードは必ず音声プランもしくはSMS機能付きのデータプランのSIMカードを選びましょう。また、SIMサイズはnano SIMとなっていますがmicroSIMやフルサイズのSIMカードをSIMカッターなどで切ってそのまま入れると抜けなくなる恐れがあるのでその点も注意が必要です。
【要注意】HTC Desire 626/HTC Desire EYEは自力でSIMカッターで切ったSIMは抜けなくなる恐れがあります。
HTC Desire EYEをMVNOの格安SIM運用する際はSMS対応SIMがオススメ!データ専用だと電波表示が出ません。
なお、MVNOではなくドコモ本家のSIMカードで使う場合は、spモードの接続制限が緩和されたため、ドコモスマートフォンのISP契約そのままで利用できるようになりました。この場合音声契約のSIMカードでもデータ契約のSIMカードでもSMS対応SIMカードなので、Desire EYEで問題無く利用することができます。
総括:SIM問題はあるものの、完成度の高いSIMフリー機。
日本のMVNO市場向けに投入された機種であるのにも関わらずSMSオプション無しのデータSIMではアンテナピクト表示が出ない問題を抱えているのは大きな問題である事には間違いないのですが、その一点を除けば非常に完成度が高くおすすめできる一台に仕上がっています。キャリアで販売されているモデルのようなおサイフケータイやワンセグ・フルセグなどの日本独自機能は無いものの、防水に関してははきっちりカバーしています。また、本体の質感からか、iPhone 6sのような金属筐体端末よりも軽く感じます。
本体価格5.7万円とSIMフリースマートフォン市場ではやや高めの価格設定で「格安スマホ」とは言えないセグメントの機種ですが、それでもキャリアのフラッグシップモデルが7〜10万円あたりで売られている現状を見るとかなり割安感のある価格帯になっています。SIMの相性問題に関してはSMS対応SIMをnano SIMサイズで契約すれば問題ないので、その点さえ注意すれば非常に満足できる一台なのではないでしょうか。
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